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世界の犬
10G:視覚ハウンド

あいりっしゅ・うるふはうんど アイリッシュ・ウルフハウンド
- IRISH WOLFHOUND(2019/6/13更新)

アイリッシュ・ウルフハウンド

原産地

アイルランド

用途

17世紀末まで、アイリッシュ・ウルフハウンドはアイルランドの狼や鹿の狩猟に用いられてきた。又、森が伐採される以前に、ヨーロッパの広域にはびこっていた狼を狩猟するために用いられていた。

沿革

アイルランドのケルト人は、大きなハウンドを繁殖することに興味を抱いていた。これらの大きなアイルランドのハウンドは、スムース・コートやラフ・コートであったが、やがてアイルランドの気候の影響もありラフ・コートが優勢になった。アイルランドのハウンドは間違いなく、スコットランドのディアハウンドの基礎となっている。アイルランドのハウンドのつがいは、贈り物として中世から17世紀にかけてヨーロッパやスカンジナビアなどの王室に珍重された。これらはイギリスやスペイン、フランス、スウェーデン、デンマーク、ペルシア、インド、ポーランドなどに送られた。15世紀には、アイルランドの各地域では、農夫の家畜の群れを狼の襲撃から守るため、24頭のウルフドッグを飼育することが要求された。1652年のクロムウェルのウルフハウンドの輸出禁止令により、一時的にこの犬種の頭数を維持することができたが、狼が次第にいなくなり、また海外からの絶え間ない要求により、17世紀末にはほぼ絶滅というところまで減少した。
この犬種の再興は、19世紀後半、アイルランドのナショナリズムの高まりとともに興り、G.A.グラハム大尉がアイルランドにわずかに残っていたウルフハウンド・タイプのハウンドを何頭か獲得することに着手した。そして、ディアハウンドの血を入れたり、時には、ボルゾイやグレート・デーンを交雑させることにより、何代にも渡って同じタイプの犬を繁殖できるようになり、アイリッシュ・ケネル・クラブは1879年4月のショーでアイリッシュ・ウルフハウンドのクラスを設け、1885年にはクラブを設立した。ウルフハウンドは今も尚、中世の名声を保っている。

一般外貌

アイリッシュ・ウルフハウンドはグレート・デーンほど重々しくもなければ、どっしりもしていないが、ディアハウンドよりは重々しく、どっしりとしており、それ以外はディアハウンドと似ている。大きく、堂々たる外貌で、たいへん筋肉質で、力強く、また優雅な体躯構成である。動きはなめらかで、活動的で、頭部と頸は高く掲げられている。尾は先端が僅かにカーブし、上向きに伸びている。
体高とそれに見合った体長を含む、巨大なサイズが必要とされる。牡においては平均81cmから86cmが理想的で、力強さと、活発さ、勇気と、釣り合いが取れていることは必須である。

習性/性格

“家庭では小羊のようで、獲物を追っている時にはライオンのよう”である。

毛色

グレーやブリンドル、レッド、ブラック、ピュア・ホワイト、フォーン。その他ディアハウンドに見られる色なら何色でも許容される。

サイズ

体高 
牡:79cm以上で、81~86cmが理想である。
牝:71cm以上。
体重
牡:54.5kg以上。
牝:40.5kg以上。

グループ(FCI10グループ)別

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