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歴史
愛する自分の犬を人に自慢したくなるのは世の常ですが、イギリス人たちが愛犬とともに酒場で一杯やりながら犬自慢に時を過ごしたことにドッグショーの起源があると考えられています。一般に、初めて組織だったショーが行われたものとしては、1859年にイギリスのニューカッスルで開かれたものが始まりといわれています。しかしながら、ルールが不徹底だったためトラブルが続出し、ショーの管理、法的規制を含めたルール作りを目的とした機関としてケネルクラブ(The Kennel Club)が1873年に創立されました。
以後、鉄道などの輸送網の発達によって地域的スケールから全国スケールへと飛躍的発展を遂げ、ケネルクラブの管理下、20世紀にはドッグショーが盛んに開催されるに至りました。
日本においては、明治維新以降、急速な西洋化が進み、日本原産犬種だけでなく、海外の犬種も数多く飼育されるようになっていきましたが、明治時代にドッグショーが開催されたという記録はありません。大正時代に入り、軍国主義の台頭とともに軍用犬の実用性がたたえられ、これを扱うブリーダーや訓練士が数を増していきました。また、世の中の景気がよくなるとともに軍用犬以外の、猟犬や愛玩犬といった犬種を飼育する人々も増えていきました。犬に携わる人々によって「帝国軍用犬協会」や「日本犬保存会」「日本シェパードクラブ」「日本テリア倶楽部」「中央畜犬協会」等が次々と設立され、コンクールや品評会が次々と開催されるようになっていきました。その後、戦時中には社会情勢から、犬を飼うことすら出来ない時代がありました。
わが国のドッグショーが欧米諸国並みに確立してきたのは1950年代からといわれています。1949年(昭和24年)には農林省の認可を得て、一般社団法人ジャパンケネルクラブ(JKC)の前身となる「社団法人全日本警備犬協会」が設立されました。1950年(昭和25年)11月に上野公園池之端で行われた創立記念の第1回本部展覧会は、ジャーマン・シェパード・ドッグや日本スピッツ等、総勢240頭の犬が出陳されるという盛大なドッグショーになりました。以後、今日に至るまでに盛んに開催されるようになったわけです。
意義
ドッグショーは、犬種の理想とされる犬種標準(スタンダード)を基に比較審査する「品評会」です。しかしながら、審査員は、犬同士を見比べて審査しているのではなく、実物の犬と犬種標準(スタンダード)から創造した理想像との比較を行っています。従って体格の大きなセント・バーナードと小さなチワワの比較が可能となります。それはつまり、どの犬がそれぞれの犬種標準に一番近いのかを比較しているからです。単純に賞位の優劣や、勝ち負けを争い合う場ではないのです。
また、ドッグショーでは、純粋犬種を普及させるために多くの人に数多くの犬種を見てもらうことで、犬種標準に対する理解を深め、優秀な犬を選出し、表彰することで各犬種の繁殖の指針を示し、純粋犬種を後世に伝えるという役割を担っているのです。
ブリーダーは犬の世界を支えるエキスパート
犬種標準(スタンダード)は、長い年月をかけて”ブリーダー(繁殖家)”の手によって犬種それぞれの特徴・体形・性格・被毛・毛色など、その犬種の理想像(スタンダード)が形作られたものです。ブリーダーは、このスタンダードを基本に考え、より理想の犬に自分の犬を近づけるために惜しみなく時間と労力をかけ、情熱を燃やしながら繁殖を繰り返していくわけです。
ドッグショーでは、その繁殖の成果を評価してもらい、犬質の向上を目指してきたのです。ブリーダーとドッグショーとの関係は、多くのブリーダーがドッグショーを盛んにし、ドッグショーによって良いブリーダーが育てられ評価される、相互扶助の関係にあると言ってもよいでしょう。
イギリスのクラフト展、アメリカのウェストミンスター展は、今日の犬種の発展に大きな影響を与えていることは、世界中の愛犬家が認めているところです。