JAPAN KENNEL CLUB 一般社団法人 ジャパン ケネル クラブ JAPAN KENNEL CLUB 一般社団法人 ジャパン ケネル クラブ

世界の犬
6G:嗅覚ハウンド

ぶらっどはうんど ブラッドハウンド
- BLOODHOUND(2019/6/13更新)

ブラッドハウンド

原産地

ベルギー

用途

鹿(猪)狩り用セント・ハウンド。足跡追求犬。家庭犬。猟犬として使用された。現在でもなお使用されている。嗅覚が特に優れているので、血を追求する訓練により、しばしば、傷ついた獲物の足跡を発見するのに使用され、また警察において行方不明になった人間の捜索に使用される。その機能的な構造により、ブラッドハウンド(フランス語名:シアン・ド・サン・テュベール)は大いなる耐久性があり、更に並外れた嗅覚を備えており、また長い距離や起伏の多い土地でもさして苦にすることなく足跡を追及することが出来る。

沿革

大型で嗅覚のすぐれたセントハウンドの歴史はたいへんに古い。何世紀も前から、その際立った嗅覚と狩猟の能力が知られ賞揚されてきた。その犬は、アルデンヌ地方で、サン・テュベール(セント・ヒューバート)修道院の修道僧達に飼育されていた。7世紀に、後に司教となり、狩人の守護聖となる修道僧ユベール(ヒューバート)が飼育していたブラックあるいはブラック・アンド・タンの猟犬の流れを汲むと思われる。それら大型のセントハウンドはアルデンヌ地方に広がった。というのは、この地方に広がっていた森に、大型の獲物が居たからである。人々はこのサン・テュベール犬を、その頑丈さを、その耐久性を、とりわけ猪猟における猟性能をほめそやした。初期のサン・テュベールの犬はブラックで、その後ブラック・アンド・タンが出た。11世紀にこれらの犬は、ウイリアム征服王によってイングランドにもたらされた。同じ頃、同じタイプだが全身真っ白の「タルボット」と呼ばれる犬が同様にイングランドに入った。イングランドにおいて、これら外来犬の子孫ができた。彼の地で繁殖されたサン・テュベールの犬たちは「ブラッドハウンド」(血の犬)という名で受け入れられた。名の由来は「純血のハウンド」を意味する「ブラデッド・ハウンド」から来ている。そして純血種となった。その後この犬種は、アメリカ合衆国において同様に発展した。特に合衆国南部において広まったが、そこでは、逃亡した奴隷を捜すのに使用された。

一般外貌

どっしりとした大型のハウンドで、全てのセントハウンドの中で最も力強い。調和のとれた輪郭で、骨は強く、筋肉に富み、サブスタンスは充実しているが、重々しい印象はない。
体構は長方形である。堂々として気品がある。態度、振る舞いには威厳がある。頭部及び頸には、たっぷりとした柔軟な見事な皮膚が垂れ、深い皺を作り、注目される。歩様は印象的で、特にゆったりといくぶん体を揺らしながら、しかし柔軟で、弾力があり、軽快である。全体の調和を壊したり、粗野に見えたり、健全性を阻害したり、この犬の存在意義を失わせることになるような、極端な特徴はどこにもない。そのような極端な特徴を挙げれば、窪みすぎた目、小さすぎる目、たるんだ瞼、豊富すぎてだぶだぶの皮膚で、皺の数が多すぎ、また深すぎるもの、過度のデューラップ、角張りすぎた頭部である。また、大きすぎる体で、重すぎて、かさばりすぎるものは、この犬の本来の用途を妨げるものであるから、同様に望ましくない。

習性/性格

穏やかで安定した気質で、人に対しては優しく愛想が良い。ことに主人に対して愛情深い。猟犬小屋にいる仲間の猟犬や他の家畜に対しても寛容である。どちらかというと慎重で頑固である。ほめられたり叱られたりすることに敏感である。決して攻撃的ではない。吠え声はとても重々しいが、鳴きわめく犬ではない。

毛色

3つに区分される。2色の「ブラック・アンド・タン」及び「レバー・アンド・タン」、そして単色の「レッド」である。ブラック・アンド・タンの犬においては、ブラックの部分はマントあるいは鞍によって変化する。マントの犬においては、ブラックが優勢になり、タン(フォーン)は、マズル、頬、目の上、前胸、四肢、肛門の周囲にみられる。鞍の犬においては、ブラックが多少の差はあれ背の部分に限定されるので、タンがより拡大する。レバー・アンド・タンの犬においても、色の配置は同様になる。これらの毛色は、常に厳密にこうでなければならぬとか、境界がはっきりと限定されていなければならぬというものではない。より色の濃い部分の中に、より明るい色の毛が散っていたり、穴熊色の毛が現れていたりすることもある。このような混色は許容される。単色のレッドにおいては、レッドは明るいレッドから濃いレッドまである。2色毛のタンや、1色毛のレッドが薄いものは望ましくない。前胸、指趾、尾の先端にわずかな白のあるものは許容されるが、好ましくはない。

サイズ

理想体高
牡:68cm 牝:62cm
各々上下4cmまで許容される。
体重
牡:約46~56kg 牝:約40~48kg

グループ(FCI10グループ)別

下記のグループボタンから、ご覧になりたいグループを選択すると個々の犬について表示されます