1G:牧羊犬・牧畜犬

シープドッグ & キャトル・ドッグ(スイス・キャトル・ドッグを除く)

ウェルシュ・コーギー・カーディガン

- WELSH CORGI CARDIGAN

スタンダードNo:38

原産地:イギリス

用途 :牧羊犬&コンパニオン

沿革 :紀元前1200年頃、中央ヨーロッパからケルト族と一緒にウェールズへきた犬といわれている。したがってその歴史はきわめて古く約4000年におよぶものと思われる。記録としてはウェールズの920年の法規に牧畜犬としてしるされている。しかし、この犬が一般に知られるようになったのはきわめて新しい。ウェールズのカーディガンシャーの丘陵地帯に住む貧しい人びとが、有用な犬だったため、世間に知られることを喜ばなかったことによる。1933年、のちに英国王となったジョージ 6 世がヨーク公といわれていた頃、宮廷で飼育したのが口火となり人気犬種となった。

ウェルシュ・コーギー・ペンブローク

- WELSH CORGI PEMBROKE

スタンダードNo:39

原産地:イギリス

用途 :牧羊犬

沿革 :カーディガンよりは新しい犬種であるが、しかし1107年までさかのぼることができる古い犬種である。
ペンブロークの直系の祖先犬は、フランドル(フランス・ベルギーの大西洋に面した地方)の織工がウェールズに移住した際もたらされたとも、ヴァイキングが活躍していたころ、スウェーデンの犬がこの地に居残ったものともいわれている。古くはヘンリー二世(1133~1189)、現代においては英国王室に愛され、王室の犬といえばこの犬種と思われているほどである。カーディガンとくらべて尾や耳先に特徴があるが、19世紀中ごろ以前は両者が交配されていたこともあり、相似点が多い。おもにウェールズのペンブロークシャー地方で飼育されていた。

オーストラリアン・キャトル・ドッグ

- AUSTRALIAN CATTLE DOG

スタンダードNo:287

原産地:オーストラリア

用途 :この名の示すように、この犬種の主要な機能であり、他より優っている機能とは、広いオープン・スペースであろうと、制限された場所であろうと、家畜を制御し、動かす能力である。また、この犬種を理想的な犬にするための献身的な努力があったため、常に敏捷で、たいへん利口で、注意深く、勇気があり、信頼がおける犬となった。

沿革 :牧羊業の中心がイギリスからオーストラリアに移った1840年頃、オーストラリア開拓民のメンバーとして有名だったトーマス・スミス・ホールが、スコットランドからスムースのハイランド・コリー(ブルー・マール)を輸入してこれにダルメシアンやケルピーの血を加えてこの犬種を固定した。一説によるとハイランド・コリーではなく絶滅したイギリスの牧羊犬ブルー・ヒーラ-だったともいわれている。この犬はブルーのまだらな斑をもちウェルシュ・コーギー・タイプの犬だった。この貴重な体や毛色はオーストラリアン・キャトル・ドッグに遺されているという。いずれにしてもこの犬種独特の毛色はイギリスの牧羊犬から受けついだものである。1963年にオーストラリアン・ナショナル・カウンシルがこの犬種を認定し、1980年AKCもこの犬種とスタンダードを公認した。現在は米英などで飼育者がふえている。

オーストラリアン・ケルピー

- AUSTRALIAN KELPIE

スタンダードNo:293

原産地:オーストラリア

用途 :牧羊犬

沿革 :19世紀になってヨーロッパの牧畜が衰退し、かわってオーストラリアが牧畜の中心地になった。スコットランド人がオーストラリアに入植した際持ちこんだ牧 羊犬にウェルシュ・コーギーやボーダー・コリーがいたが、それとオーストラリアの野生犬ディンゴが混血したという説がある。しかしそれを否定する説も少な くない。いずれにしてもオーストラリア大陸の牧畜に適した牧羊犬が必要だったのは当然であり、いろんな犬種の混血が考えられる。
ケルピーとはスコットランドの伝説の水の精のことであり、この犬種の誕生にスコットランド人が多くかかわったことを示している。

オーストラリアン・シェパード

- AUSTRALIAN SHEPHERD

スタンダードNo:342

原産地:アメリカ合衆国

用途 :牧羊犬

沿革 :オーストラリアン・シェパードの起源については様々な説があるものの、現在は、もっぱらアメリカで発展した犬種として知られている。オーストラリアン・ シェパードという名は、1800年代にオーストラリアからアメリカへやって来たバスク地方の出身の羊飼いの組合が付けたものである。第2次世界大戦後、ロ デオやホース・ショー、映画やテレビのショーを通じて、一般の人々にウエスタン・ホースライディングが知られ、そのブームと共にオーストラリアン・シェ パードの数も着実に増加していった。この犬種の生来の、多面的能力と訓練に適した性格は、アメリカの農場や牧場にとって強味であった。アメリカの牧畜業者 はこの犬種の発展に努め、この犬種が持つ多芸性、鋭い知性、強いハーディング能力そしてその古くから賞賛されていた人目をひく外貌を維持するよう努め続け た。毛色及びマーキングは各々独特であるが、オーストラリアン・シェパードはどの犬も家族に対してとても献身的である。オーストラリアン・シェパードの様 々な特徴がその人気を不動のものにしてきた。

オールド・イングリッシュ・シープドッグ

- OLD ENGLISH SHEEPDOG

スタンダードNo:16

原産地:イギリス

用途 :牧羊犬

沿革 :オールド・イングリッシュ・シープドッグの原産国はイギリスとしてリストされているが、実際の祖先犬はOwtcharka及びBergamascoタイプのヨーロピアン・シェパード・ドッグとイギリスのシープドッグを繁殖したものであると考えられている。現在はイギリス原産犬種と見なされ、しばしばボブ・テイルと呼ばれている。頑丈で、コンパクト、豊富な被毛で覆われている。被毛はこの犬種独特の特徴であり、雨風に強い。基本的にはカントリー・ドッグであり、知的で、友好的である。吠え声は深く、如何なる侵入者をも怖がらせるのに十分である。

クーバース

- KUVASZ

スタンダードNo:54

原産地:ハンガリー

用途 :人間や家、財産、その他の貴重品の番犬およびガード・ドッグ。猟犬としても使われている。

沿革 :クーバースは長い歴史を持つ、ハンガリーの古いシープドッグである。クーバースの祖先犬はマジャール人の支配下にあった時代にカルパチア盆地へと入ってきた。これらの犬は肉食獣や泥棒たちに家畜の群れが襲われないように見張り、護衛した。その狩猟本能から、クーバースはマーチャーシュ・コルビナス王の時代に猟犬として好まれた。

コモンドール

- KOMONDOR

スタンダードNo:53

原産地:ハンガリー

用途 :ハーディング・ドッグ

沿革 :コモンドールはハンガリーで古くから確立されているハーディング犬種の一つであり、アジアを起源としている。もともとの祖先は、家畜を追って生活していた遊牧民族の古代マジャール人が移住してきた際に、カルパチアの盆地に共にやってきたということはほぼ間違いない。

サールロース・ウルフドッグ

- SAARLOOS WOLFDOG

スタンダードNo:311

原産地:オランダ

用途 :サールロース・ウルフドッグは特定の使用目的のために作出された犬種ではない。忠実で、信頼できるコンパニオン・ドッグであり、ハウス・ドッグとなる資質を兼ね備えている。

沿革 :Leendert Saarloos 氏(1884年~1969年)は自然と犬をこよなく愛していた。ジャーマン・シェパード・ドッグの愛犬家であった氏は犬が人間性を帯び過ぎてきたと感じ、より良いワーキング・ドッグを作出するために犬本来の自然な素質を取り戻すためにこの犬種を作出することにした。そのために、伝統的なプロシア・タイプである牡のジャーマン・シェパード・ドッグのGerard van der Fransenumとヨーロッパ・タイプのシベリア系列を起源とする牝の狼と交配した(1932年)。
父犬と戻し交配し、狼の血統が4分の1の基礎個体群を繁殖した。後に厳しい選別を伴う実験繁殖の中で、新しい犬種である「ヨーロピアン・ウルフドッグ」に進化した。この新犬種の中から選ばれた個体は目の不自由な人のための盲導犬として良い働きをしたため、当初はこの作業に適している犬種として見なされていた。しかしながら、個体群の増加により最初の祖先犬であるGerard van der Fransenumから受け継いだ能力が除々に失われ、ワーキング・ドッグとしても盲導犬としても適さないことが明確になった。 Leendert Saarloos 氏の遺産はワーキング・ドッグではなかったが、犬の本質に近い特性を持つこの種は1975年に犬種として公認された。
その際、当該犬種は作出者に敬意を表し、「サールロース・ウルフドッグ」と命名された。

ジャーマン・シェパード・ドッグ

- GERMAN SHEPHERD DOG

スタンダードNo:166

原産地:ドイツ

用途 :ユーティリティ・ドッグ、ハーディング・ドッグ、ガード・ドッグ、使役犬等多目的。

沿革 :公式の決議により、ドイツ・ケネル・クラブ(Verband fur das Deutsche Hundewesen e.V.,VDH)のメンバーであり、この犬種の作出協会である、アウグスブルグに事務所を構えるジャーマン・シェパード・ドッグ協会(Verein fur Deutsche Schaferhunde)は、ジャーマン・シェパード・ドッグのスタンダードに対する責任を負う。最初のスタンダードは1899年9月20日にフランクフルト/マインで開催されたジャーマン・シェパード・ドッグ協会の最初の総会にて、A・メイヤーとフォン・ステファニッツ中尉の提案を元に作成された。その後、1901年7月28日に開催された第6回総会、1909年9月17日にケルン/ラインで開催された第23回総会、1930年9月5日にヴィスバーデンで開催された理事会並びに諮問委員会会議、1961年3月25日に開催された理事会並びに繁殖委員会会議にて修正された。このスタンダードはその後改正され、1976年8月30日にワールド・ユニオン・オブ・ジャーマン・シェパード・ドッグ(Weltunion fur Deutsche Schaferhunde, WUSV)に採用され、1991年3月23・24日に理事会並びに諮問委員会の決議を受けて、見直し、文章化された。
ジャーマン・シェパード・ドッグの計画的な繁殖は、ジャーマン・シェパード・ドッグ協会設立後の1899年以降、要求の最も多いユーティリティ・ワークに非常に適した犬種を作出するという最終目的を掲げて、ドイツの中部と南部のハーディング・ドッグを基本に、繁殖、発展させていった。この目的を達成するため、ジャーマン・シェパード・ドッグのブリード・スタンダードでは、正確な体躯構成、しっかりした気質、性格の良いことが強調されている。

スキッパーキ

- SCHIPPERKE

スタンダードNo:83

原産地:ベルギー

用途 :小型の番犬及びコンパニオン。

沿革 :フランドル地方の方言では、スキッパーキは「小さな羊飼い」を意味する。スキッパーキの祖先は、おそらくベルジアン・シェパード・ドッグと共通の祖先でルーベルナールと呼ばれたブラックでいくぶん小型の古い牧羊犬種と考えられる。スキッパーキの起源は17世紀に遡る。1690年頃、スキッパーキはブリュッセルのサン・ゲリー地区の労働者や靴の修繕屋に人気のある犬だった。彼らは複雑に作られた真鍮の首輪を見せびらかすために、犬にその首輪をつけて競技を行っていた。尾は完全に断尾されているが、この慣習は15世紀に既に見られた。ネズミやモグラ、その他の害獣を捕まえることで知られていた。スキッパーキが初めて出陳されたのはスパという町で、1882年に遡る。スキッパーキはベルギー王室のマリー・アンリエット王妃のお陰で流行し、1887年にはイギリスやアメリカにも紹介された。最初のスタンダードは1888年に、その年設立されたベルギー最古のブリード・クラブによって作成された。タイプを統一するために何年もかけて多大な努力を払わねばならなかった。実際に当時はバラエティーがあり、「アンベルス系」とか「ルーバン系」、「ブリュッセル系」といったように呼んでいた。

スムース・コリー

- SMOOTH COLLIE

スタンダードNo:296

原産地:イギリス

用途 :牧羊犬

沿革 :ラフ・コリーとスムース・コリーは発生初期から同一犬種と思われてきた。ある時期ラフとの交配が奨励され、その結果タイプに共通点が生じた。初期のスムースは牛飼いや家畜商の犬として、ラフ・コリーには似ておらず、初期のスムース・コリーの絵は、体高も低く、頭部も重たげで、かなりずんぐりしていた。ドッグ・ショーで人気が出始めると、ブリーダーの中にはラフ・コリーと交配し、スムース・コリーをよりエレガントにすることによってショー・リングで勝とうと思った人たちがいたので、何年もの間、ラフとスムースは被毛以外に大きな違いがなくなるまで交配を繰り返した。今日のスムースの耳はラフより耳根が広く、より大きく、パスターンは相当柔軟であることが求められる。しかし他の点では、この犬種に要求されることはラフの従兄弟と似たりよったりである。

ダッチ・シェパード・ドッグ

- DUTCH SHEPHERD DOG

スタンダードNo:223

原産地:オランダ

用途 :コンパニオン・ドッグ及びシープドッグ

沿革 :ダッチ・シェパード・ドッグの本来の役割は、田舎のシープドッグとしての役割であった。はるか昔からオランダには、とりわけ牧羊地に適した文化が根付いていた。犬は道路と田畑の境界をパトロールすることで、羊の群れを農作物から遠ざけていた。また、牧草地、マーケット及び港に向かう群れに同行もしていた。
農場では鶏が家庭菜園に近づかないようにしたり、搾乳のために牛の群れを集めたり、また牛乳配送車を引いたりしていた。また、農園に見知らぬ人が立ち入った場合は、それを農夫に警告したりもした。1900年頃、オランダでは羊の群れの大部分が姿を消した。ダッチ・シェパード・ドッグの多才な能力は犬の訓練に適しており、それによりこの犬種の人気が高まった。そのため、警察犬、捜索犬、足跡追求犬及び目の不自由な人のための盲導犬としての新たなキャリアをスタートした。しかしながら、ダッチ・シェパード・ドッグは今でもなお、羊の群れをハーディングすることができる。この犬種の最初のスタンダードの日付は1898年6月12日まで遡る。

ダッチ・シャペンドース

- DUTCH SCHAPENDOES

スタンダードNo:313

原産地:オランダ

用途 :ダッチ・シャペンドースは羊の群れを集めるために使用されていたハーディング・ドッグであり、現在も同じ能力が活用されている。牧羊場は主に静かな人里離れた場所に位置しているため、ダッチ・シャペンドースは強い忍耐力、体の機動性及びスピードを備えていなければならない。優れたジャンプ力が必須であり、利口さ及び自主的に動く能力が必要である。精神的、身体的及び性格的に真のハーディング・ドッグでなければならない。

沿革 :ダッチ・シャペンドースは今世紀の初めと終わりにはオランダ全域の羊の群れがいる平坦な荒地に生存していた。羊飼いたちはダッチ・シャペンドースの利口さ及び作業時に絶え間なく働く点を高く評価した。ダッチ・シャペンドースは頭部に密集した被毛を持つ長毛のハーディング犬種の様々なグループに属する。ビアデッド・コリー、プーリー、ポリッシュ・ローランド・シープドッグ、オールド・イングリッシュ・シープドッグ、ブリアード、ベルガマスコ・シェパード・ドッグ及びヘッセン州、オーデンヴァルト山地、ライン川下流に生息するジャーマン・シーププードル(German Schafspudel)等の多様な犬種と血縁関係にある。これらの類似した全ての犬はマウンテン・ドッグの小さな突然変異である。犬の権威であるP. M. C. Toepoelがダッチ・シャペンドースのパイオニアであり、彼は第二次世界大戦時にダッチ・シャペンドースに対する関心を喚起する方法を知っていた。
ほぼ消滅していたシャペンドースの検査サンプルは、1940年から1945年の間には見つかればどこからでも繁殖に使用された。
1947年にダッチ・シャペンドースのブリード・クラブが設立され、1952年にオランダKCに暫定犬種として認められた。1954年には犬種スタンダードが出来上がり、スタッドブック登録が始まった。そして、1971年に公認犬種として認められた。それ以降は登録された犬からのみ繁殖されている。

チェコスロバキアン・ウルフドッグ

- CZECHOSLOVAKIAN WOLFDOG

スタンダードNo:332

原産地:旧チェコスロバキア

用途 :作業犬

沿革 :1955年に旧チェコスロバキアに於いて、ジャーマン・シェパード・ドッグとカルパチアン・ウルフを交配させる生物学的実験が行われた。その実験により、牡犬を牝の狼と、また、牡の狼と牝犬をそれぞれ交配することにより、それらの子孫は飼育可能になることが実証された。それらの交配により産まれた子孫の大半は、繁殖を継続するために必要な遺伝子を有していた。1965年に実験が終了した後、狼の有効な質と犬の有益な質を合併するために、この新犬種の繁殖プランが計画された。
1982年に旧チェコスロバキアのブリーダーズ・アソシエーションの執行委員会を通して、チェコスロバキアン・ウルフドッグは国内犬種として公認された。

ビアデッド・コリー

- BEARDED COLLIE

スタンダードNo:271

原産地:イギリス

用途 :牧羊犬

沿革 :英国の牧羊犬の歴史はきわめて古く、種類も多かったが、牧羊業の不振とともに多くの牧羊犬が姿を消し現在は6、7犬種だけとなった。この犬の先祖は約 2000年前頃からハイランド地方で飼育されていたようで、口ひげがあることからビアデッド・コリーと呼ばれているが、かつてはハイランド・ビアデッド・ コリー、スコティッシュ・ビアデッド・コリー、ときにはヘアリー・モード・コリー、スコティッシュ・マウンテン・コリーと呼ばれたこともある。雨や霧の中 での作業にも耐える全天候型の牧羊犬として知られ、家庭犬としても飼育されている。

ピレニアン・シープドッグ

- PYRENEAN SHEEPDOG

スタンダードNo:141

原産地:フランス

用途 :ピレネーの農場や牧場で使用されるシープドッグ

沿革 :この犬種は、20世紀初頭まで犬界に知られていなかったため、その起源は定かでない。ピレネーの谷々に様々なタイプの犬がおり、サイズや被毛に大きな違いがあったが、習性や性格は同じであった。1921年から1925年の間に最初の公式なスタンダードはBernard Sénac-Lagrange氏によって作り上げられた。最初の修正は氏の任期中に行われ、その後はCharles Duconte氏及びGuy Mansencal氏によって行われ、2001年以降はレイモンド・トリケ氏と密に協力しAlain Pécoult氏が行っている。

ブービエ・デ・フランダース

- BOUVIER DES FLANDRES

スタンダードNo:191

原産地:ベルギー/フランス

用途 :ブービエ・デ・フランダースは元来、牧畜犬、運搬犬としてまたバター製造の攪乳器を動かす為に使用されていた。農業用具が発達したことでこれらの用途はな くなり、今日では主に大農場や農園における番犬として、また防衛及び警察犬として使用されている。この犬種の体躯及び行動面の適性、鋭い嗅覚、決断力、及 び頭の良さから追跡、連絡並びに猟区を監視する犬として用いられる。

沿革 :ブービエ・デ・フランダースの名が示す通り、ベルギー及びフランスにまたがるフランドル地方原産であり、この2つの地域を分ける自然の境界線はない。フラ ンドルの牛飼いたちは、家畜の群れを誘導するすぐれた犬を持ちたいという気持ちがあり、選択繁殖にあたっては、行動能力や肉体的クオリティーだけを考えて いた。そのようなクオリティーが現在のブービエ・デ・フランダースに受け継がれている。

プーミー

- PUMI

スタンダードNo:56

原産地:ハンガリー

用途 :テリア・タイプのハーディング・ドッグ。大型動物のハーディングにも適している。嗅覚がたいへん発達している。野生の猛獣や小動物と争う際に、その真価を発揮する。素晴らしいペットであり、室内で飼うことが可能。十分な運動を必要とする。家庭犬として優れ、ドッグ・スポーツに適している。

沿革 :17世紀から18世紀のハンガリーにおいて、土着のプーリーとドイツやフランスから輸入された直立耳を持つテリア・タイプの犬との交雑によって作出された。20世紀初頭に独立した犬種として承認された。

ブリアード

- BRIARD

スタンダードNo:113

原産地:フランス

用途 :牧羊犬及び番犬

沿革 :当該犬種は長年に渡りChiens de Berger Français de Plaine(フレンチ・ローランド・シープドッグ)として知られてきた。「chien de Brie」という名称は1809年に出版されたAbbot Rozer著の「Complete Agricultural Course」の中で初めて登場した。この犬種は群れを集める能力及び番犬としての適正故に繁殖、作出された。フランス軍もまたこの犬種を2つの世界大戦中に使用していた。その用途の例には監視犬及び戦場で負傷した兵士を見つけるための救護犬としての活動が含まれる。

ベルジアン・シェパード・ドッグ

- BELGIAN SHEPHERD DOG

スタンダードNo:15

原産地:ベルギー

用途 :元来シープドッグであるが、家庭犬のみでなく、今日はワーキング・ドッグ(護衛、防衛等)並びにあらゆる目的に用いられるサービス・ドッグとして用いられている。

沿革 :ベルギーでは、1800年代の終わり頃、タイプも様々で、被毛が極めて異なる牧羊犬群が存在した。この状況を改善するため、何名かの熱心な愛犬家がグルー プを形成し、Cureghem獣医学校のA・Reul博士から指導を求めた。彼はこの犬種の真の開拓者且つ設立者と目されている人物である。
この犬種は1891年から1897年の間に正式に確立された。1891年9月29日、ブリュッセルにベルジアン・シェパード・ドッグ・クラブが設立され た。同年11月15日には、A・Reul博士はCureghem獣医学校に117頭の犬を集めたので調査と繁殖が可能になった。翌年には、実際に繁殖のプ ログラムを開始し、何頭かの種牡を用いて非常に近い血筋同士の交配を行った。1892年4月3日には、ベルジアン・シェパード・ドッグ・クラブにより最初 の詳しいブリード・スタンダードが作成された。3つの被毛のバラエティーを有する1犬種が認められた。しかしながら、その頃言われていたようにベルジア ン・シェパードはまだ一般庶民にしか知られていなかったので、地位を確立することはできなかった。
結果として、1901年になるまでベルジアン・シェパードはベルギーKCのスタッド・ブックに登録を許可されなかった。
翌年以降、ベルジアン・シェパードの愛好家の間で、タイプを統一させ、欠点を正すという原動力が働き出した。ベルジアン・シェパードのタイプと気質は1910年頃までに確立されたと言える。
ベルジアン・シェパード・ドッグの歴史上、認められたいくつかのバラエティーや毛色について、多くの白熱した議論が行われた。一方、形態や気質、作業への 適正については意見の相違が生じたことはない。

ボースロン

- BEAUCERON

スタンダードNo:44

原産地:フランス

用途 :シープドッグ及びガードドッグ

沿革 :フランスの平原に古くからいたシープドッグを19世紀末、”ボース・ドッグ”、”ボースロン”、”レッド・ストッキング”と呼ぶようになった。全て同じタイプで、顔部の被毛は滑らかで、他の部分の被毛は堅く、短毛で、耳は通常断耳されていた。ボディ にはタン・マーキングがあり、とりわけ脚の先に見られた。それが当時のブリーダーがこの犬を”レッドストッキング”と呼んだ所以である。被毛は通常ブラッ ク・アンド・タンであったが、グレーのものや、全体的にブラックのもの、全体的にタンのものさえいた。これらの犬は、羊の群れを率い、守る適正のために、 選択繁殖された。

ボーダー・コリー

- BORDER COLLIE

スタンダードNo:297

原産地:イギリス

用途 :牧羊犬

沿革 :イギリス原産の牧羊犬の中でもっとも作業能力が高いといわれるボーダー・コリーだが、近縁のラフ・コリーほど優雅なスタイルや秀でた顔貌を持ち合わせていなかったため、純粋種としての認定が遅く、つい近年まで公認されなかった。FCIの公認は1987年である。
ボーダー・コリーの祖先犬は、8世紀後半から11世紀にかけてスカンジナビア半島を中心に発生したバイキングが、英国に持ち込んだトナカイ用の牧畜犬だっ たといわれている。その後、土着の牧羊犬やラフ・コリーの祖先犬と交雑し、19世紀末頃にはほぼ現在のタイプとなっていた。しかし、ラフ・コリーなどが ショー・ドッグの道を選択したのに対し、ボーダー・コリーは作業能力のみが重視されたため、牧場にとりのこされ、都市生活者や国外に知られる機会が少な かった。
ショーでワーキング・トライアルやオビディエンス・トライアルが実施されるようになってボーダー・コリーが見直され、晴れて公認犬種となった。
ボーダーとは、国境、県境という意味だが、イングランドから見るとスコットランドは辺境であり、辺境の牧羊犬という意味がこめられている。

ポリッシュ・ローランド・シープドッグ

- POLISH LOWLAND SHEEPDOG

スタンダードNo:251

原産地:ポーランド

用途 :扱いやすく、牧羊犬及びガード・ドッグとして 指示によく従い、作業する。都会の生活では、たいへん優れた伴侶犬となる。

沿革 :ポーランドのシープドッグ。ビアデッド・コリーの祖先犬の一つとも言われており、たいへん古い犬種である。1960年代になってポーランド以外のヨーロッパ各国でも愛好家が増えてきて、今日のヨーロッパのドッグショーでは、常に出陳されている。

ホワイト・スイス・シェパード・ドッグ

- WHITE SWISS SHEPHERD DOG

スタンダードNo:347

原産地:スイス

用途 :家庭犬、コンパニオン・ドッグ、注意深い番犬であり、子供に対しては特に友好的である。活発で従順な作業犬である。

沿革 :アメリカ合衆国やカナダではホワイトのシェパード・ドッグが次第に明確な1犬種となった。
この犬種の初期の犬たちが1970年代初頭にスイスに輸入された。1966年3月5日合衆国で生まれた牡犬「ロボ」が、スイスにおけるこの犬種の祖先犬になったと考えられる。この牡の子孫がスイスのスタッド・ブック(LOS)に登録され、合衆国やカナダから輸入された他のホワイト・シェパード・ドッグの子孫も徐々に繁殖されていった。今日では純血犬種として数世代に渡って繁殖された多数のホワイト・シェパード・ドッグがヨーロッパ中にいる。そのため、 1991年6月以降、これらの犬たちは新犬種としてスイスのスタッド・ブック(LOS)の付録に登録された。

マレンマ・シープドッグ

- MAREMMA SHEEPDOG

スタンダードNo:201

原産地:イタリア

用途 :主に家畜の群れや領地を守るために用いられるシープドッグ

沿革 :家畜の群れを守るこの古代犬種の起源は、今日なお羊の飼育が盛んなアブルーツェで用いられているシープドッグとかつてトスカーナのマレンマ地方とラティウム地方にいたシープドッグである。特に1860年以降、季節ごとの家畜の移動により、この2つの古代犬種の自然交配が促進された。

ミニチュア・アメリカン・シェパード

- MINIATURE AMERICAN SHEPHERD

スタンダードNo:367

原産地:アメリカ (後援国:ハンガリー)

用途 :農場及び牧場に於けるシェパード・ドッグ

沿革 :1960年代後半にカリフォルニア州に於いて小型のオーストラリアン・シェパードを繁殖して作出された。これらの犬は小型で活発な性格及び知性を維持することを目的に繁殖された。この犬種は1980年にナショナル・ストック・ドッグ・レジストリーに最初に登録され、元々はミニチュア・オーストラリアン・シェパードと呼ばれていた。1990年代前半には全国的な人気を博し、希少犬種団体に於いて出陳されるようになった。最初のペアレント・ブリード・クラブであるミニチュア・アメリカン・シェパード・クラブ・オブ・ザ・USA( MASCUSA )は1990年に設立され、1993年に法人組織となった。2011年5月にミニチュア・アメリカン・シェパードとしてAKCファンデーション・ストック・サービスに登録された。MASCUSAはアメリカン・ケネル・クラブ(AKC)指定のナショナル・ペアレント・クラブである。
この犬種は羊や山羊のような小さな家畜を追い集めるために用いられているが、より大きな家畜にタックルする勇気も兼ね備えている。容易にペットとしての役割も果たすことができることから、小型であることも好意的に受け止められている。知的で、忠実で、そのサイズ故に素晴らしいトラベル・コンパニオンであることから、特にホース・ショーへ移動する騎手に人気が高く、その人気は国中に広まっていった。
今日、ミニチュア・アメリカン・シェパードはアメリカ全土及び国外でも定着している。牧場でも街中でも同様に、人目を引き、用途の広い小さくて可愛いハーディング・ドッグであるという特性を持つ犬種である。

ムーディー

- MUDI

スタンダードNo:238

原産地:ハンガリー

用途 :牧羊犬。その勇敢な気質から、広範囲の家畜の群れを集めるための犬として羊飼いに人気がある。また、イノシシを狩るためにも使用されている。優れた護衛犬及び愛玩犬である。麻薬犬としても使用されており、番犬でもある。優秀なアジ リティー・ドッグであり、愛らしいハウス・ペットでもある。比較的短い被毛及び優れた順応性のため、家の中でも問題なく飼育することができる。

沿革 :18世紀から19世紀の間にハンガリーの牧羊犬と、恐らくは様々な立ち耳のドイツの牧羊犬とのクロス・ブリーディングにより作出された。

ラフ・コリー

- ROUGH COLLIE

スタンダードNo:156

原産地:イギリス

用途 :牧羊犬

沿革 :スコットランドの牧羊の歴史は6千年に及ぶといわれている。したがって牧羊犬の歴史も古いが滅んだ犬種も多く不明な部分が少なくない。
コリーはスコットランドのハイランド地方で過去数百年の間山岳丘陵地帯で牧羊作業に従事していた。スコットランドの羊は顔と肢が黒かったことからコリー(アングロ・サクソン語で黒を意味する)と呼ばれ、牧羊犬も黒い毛色が主流だったことからコリー・ドッグと呼ばれ、のちにコリーとなった。その後毛色はトライ・カラーが主流となりブルー・マールも多かった。1860年ビクトリア女王がスコットランドを訪問し連れて帰ったことから人気化した。
セーブル・アンド・ホワイトが記録されたのは1872年である。この毛色が大衆に好まれコリーの人気を絶対のものとした。

ランカシャー・ヒーラー

- LANCASHIRE HEELER

スタンダードNo:360

原産地:イギリス

用途 :ハーディング & コンパニオン

沿革 :ランカシャー・ヒーラーの起源は明確にはなっていないが、ウェルシュ・ヒーラー(コーギー)が畜牛を食肉処理のためにウェールズからオームスカーク地方(ランカシャー州)へ移動させた際、マンチェスター・テリアと出逢ったのが起源ではないかとされている。確かに、この犬種はその地域で見られ、何世代にも亘り繁殖されている。この犬種は利口で、人を愛し、喜ばせるのが好きである。また、訓練可能な犬種ではあるが、揺るぎない優しい所有者の下での訓練が最善である。小さな体格ではあるが、驚くべきエネルギー量を有している。

グループ(FCI10グループ)別

下記のグループボタンから、ご覧になりたいグループを選択すると個々の犬について表示されます

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