2G:使役犬

ピンシャー & シュナウザー、モロシアン犬種、スイス・マウンテン・ドッグ & スイス・キャトル・ドッグ、関連犬種
PINSCHER AND SCHNAUZER – MOLOSSOID BREEDS- SWISS MOUNTAIN AND CATTLE DOGS AND OTHER BREEDS
番犬、警護、作業をする犬

 

アーフェンピンシャー

- AFFENPINSCHER

スタンダードNo:186

原産地:ドイツ

用途 :家庭犬

沿革 :元来、ドイツ南部で家庭犬として用いられていた。アルブレヒト・デューラー(1471-1528年)の木版画に、この犬の祖先が描かれている。アーフェンピンシャーが初めてショーに出陳されたのは1879年に遡る。ラフ・コートのピンシャーを改良したこれらの愛玩犬は19世紀から20世紀に変わる頃たいへん人気があった。頭部の周りを囲む粗毛が、猿に似た顔つきを強調していた。その毛色は黄色っぽい毛色や赤っぽい毛色、グレー・ホワイトからダーク・グレー、ブラック・グレー、純黒などの単色まであった。

イタリアン・コルソ・ドッグ

- ITALIAN CORSO DOG

スタンダードNo:343

原産地:イタリア

用途 :ガード・ドッグ、護衛犬、警察犬及び追跡犬

沿革 :この犬種の直接の祖先は古代ローマのモロシア犬である。この犬種は以前はイタリア全土に存在していたが、近年では南イタリアのアプリア地方及びその隣接地区のみで普及している。犬種名は「農家の保護や守護をする者」を意味するラテン語の「cohors」から来ている。

エストレラ・マウンテン・ドッグ

- ESTRELA MOUNTAIN DOG

スタンダードNo:173

原産地:ポルトガル

用途 :狼や泥棒と勇敢に闘い羊の群れを守る忠実な番犬。農場や家屋を守る優れた番犬であると同時に、人の護衛にも長けている。時として牽引用の犬として訓練されることもある。

沿革 :エストレラ・マウンテン・ドッグは古代よりエストレラ山脈(ポルトガル北部の高い山脈)に生息しており、その起源は明らかではないものの、イベリア半島に おける最古の犬種の一つと考えられる。山の麓から頂上まで生息しているが、主として夏に、雪が解けてなくなった頃、高温により牧草が完全に干からびた低地 から緑の牧草を追い求めて登ってくる羊の群れに伴って登ってくるのが見られる。エストレラ・マウンテン・ドッグは牧羊犬、番犬として現在もなおこの地域に 生息している野生動物から羊の群れを守っている。ポルトガルの他の地域、主として国の中央部にも点在して見られるが、これらの犬の故郷はエストレラ山脈で あり、仔犬の時にエストレラ山脈からこの地域に連れて来られたか、エストレラ山脈地方出身のブリーダーによって繁殖されたかのいずれかである。

グレート・スイス・マウンテン・ドッグ

- GREAT SWISS MOUNTAIN DOG

スタンダードNo:58

原産地:スイス

用途 :元々はウォッチ・ドッグ及びドラフト・ドッグ(荷物運搬犬)として使用されていた。現在では、コンパニオン・ドッグ及びガード・ドッグ、ファミリー・ドッグでもある。

沿革 :1908年に「スイス・ケネル・クラブ(Schweizerische Kynologische Gesellschaft)」の創立25周年を記念してLangenthal で開催されたジュビリー・ショーに於いて、スイス・マウンテン・ドッグの偉大なプロモーターである Albert Heim 教授に、2頭のショートヘアードのバーニーズ・マウンテン・ドッグが披露された。
教授は、それらの犬が、かつて護衛犬、荷物運搬犬、またキャトル・ドッグとして繁殖され、ヨーロッパ全土に広がった祖先犬を持ち、古く、その数が減少している大型のマウンテン・ドッグの典型であると認識した。そして1909年にスイスのスタッドブック第12巻に登録されていた犬種とは別の犬種としてスイスKCに公認された。
1912年には、この犬種を普及し、純粋犬種として維持するための「グレート・スイス・マウンテン・ドッグ」クラブが設立された。
最初のスタンダードはFCIにより1939年2月5日以降に公表された。
現在では、この犬種はヨーロッパ諸国以外でも繁殖されており、その穏やかで信頼できる気質から、特にファミリー・ドッグとして高く評価されている。

グレート・デーン

- GREAT DANE

スタンダードNo:235

原産地:ドイツ

用途 :コンパニオン、番犬、警備犬

沿革 :今日のグレート・デーンの祖先犬については、古い「ブレンバイザー(ブルドッグの一種)」と、頑健なイングリッシュ・マスティフ・タイプと機敏なグレーハウンドの中間タイプである「Hatz-and Saurüden(狩猟犬及び猪猟犬)」を考慮しなければならない。「Dogg」という単語は当初、特定の犬種を指すのではなく、大きくて、力強い犬という意味であると理解されていた。後に、Ulmer Dogge、English Dogge、グレート・デーン、Hatzrüde(ハンティング・ドッグ)、Saupacker(ボアファインダー)及びGrosse Dogge(Great Dogge)は、毛色とサイズによって分類された。
1878年にベルリンで Bodinus 博士を委員長とする活動的なブリーダー及び審査員7名で構成された委員会が結成され、前述の全てのバラエティーを「Deutsche Dogge(グレート・デーン)」として分類することを決議した。それにより、独立したドイツ犬種としての繁殖の基礎が築かれた。
1880年にベルリンでのショーが開催された機会に、グレート・デーンの最初のスタンダードが定められた。
このスタンダードは1888年以降、「Deutsche Doggen Club 1888 e.V.(1888年に登録されたGerman Doggen Club)」により管理され、長年に亘りしばしば修正されてきた。現行のスタンダードはFCIの必須要件を満たしている。

グレート・ピレニーズ

- GREAT PYRENEES

スタンダードNo:137

原産地:フランス

用途 :山地での家畜の群れの警護

沿革 :遥か昔からピレネー山地に棲息し、中世には城館の番犬になっていたと、14世紀の本には記載されている。17世紀にはすでに伴侶犬としてもてはやされ、ルイ14世に飼育されるという光栄に浴している。1897年、ド・ビラント伯爵が、この犬種の詳細を記した。その10年後、最初のブリード・クラブが設立され、1923年にはベルナール・セナク‐ラグランジュが中心となってS.C.C.(フランス中央畜犬協会)に対して、公式スタンダードが登録申請された。現行のスタンダードは、この1923年のスタンダードにたいへん近いもので、特に正確なデータはそこから得ている。

ジャーマン・ピンシャー

- GERMAN PINSCHER

スタンダードNo:184

原産地:ドイツ

用途 :番犬、コンパニオン・ドッグ

沿革 :スムース・ヘアーのピンシャーは非常に歴史が古く、この犬は1880年にはすでにドイツのスタッド・ブックに記載されている。この犬種の祖先はラフ・コーテッド・ピンシャーと呼ばれていたスタンダード・シュナウザーと同じものである。もともとスムース・ヘアード・ピンシャーは毛色及び短毛であることがラフ・ヘアーのものとは異なっていた。

ジャイアント・シュナウザー

- GIANT SCHNAUZER

スタンダードNo:181

原産地:ドイツ

用途 :ユーティリティー・ドッグ 及び コンパニオン・ドッグ

沿革 :元来、ジャイアント・シュナウザーはドイツ南部地方で家畜を追い立てることに使用されてきた。世紀の変わり目の頃に、ブリーダー達はこの犬種が際立った作業能力をもち、特に素晴らしい性格であることに気づいた。1913年以来、スタッドブックに登録されており、1925年には既に作業犬として正式に認められていた。

シャルプラニナッツ

- SARPLANINAC

スタンダードNo:41

原産地:セルビア/マケドニア

用途 :

沿革 :この犬種はユーゴスラビア南東の山岳地域に於いて遠い昔から繁殖され、犬種名はこの犬種が最もよく見られたSharplanina(シャルプラニナ)山地にちなんで名付けられた。今日では全国各地で繁殖されている。FCIには1939年にスタンダード No. 41 「Illirski Ovcar」(Yllyrian Shepherd Dog)として登録された。1957年にFCI総会は、犬種名を「JUGOSLOVENSKI OVCARSKI PAS - SARPLANINAC」に変更するとのユーゴスラビアKCからの提案を承認した。
この犬種の原産地は未だに議論の的になっているが、先史時代の集団移住の過程でアジアからヨーロッパにやってきたものと推測される。この犬種のオリジナルタイプは、牧畜業が未だに熱心に行われており、肉食動物から畜牛を守るという本来の役割を果たすことができる地域に於いて維持されている。

スタンダード・シュナウザー

- STANDARD SCHNAUZER

スタンダードNo:182

原産地:ドイツ

用途 :番犬、家庭犬

沿革 :本来スタンダード・シュナウザーは厩舎を自分の家と思っていたことから、厩舎の番犬として南ドイツ地方で使用されていた。警戒心に富み瞬時にネズミを捕獲した。このことから初期には「ねずみ取り」と呼ばれていた。1895年にドイツにおいてピンシャー・シュナウザー・クラブが設立された際に、この犬種は「ラフ・ヘアード・ピンシャー」の名前で加えられた。

スパニッシュ・マスティフ

- SPANISH MASTIFF

スタンダードNo:91

原産地:スペイン

用途 :番犬及び護衛犬である。この犬種は季節による家畜の移動と密接な関係がある。とりわけ、“Mesta”(中世の遊牧動物のブリーダーの団体)の時代から既に生活を共にしているメリノーヒツジとは緊密な関係にあり、四季を通じてあらゆる場所において、ある場所から他の場所への移動中の行程や、放牧地で留まっている期間、狼や強奪者から守ってきた。現在においても、定住、遊牧に関わらず数多くの群れに同行し、先祖代々継承されてきた作業を遂行している。又、農場や人、領地についても同様に護衛する役割を果たす。

沿革 :紀元前二千年頃のモロッサーと呼ばれる古代の犬から発達し、おそらくフェニキア商人がシリアかインド方面からイベリア半島に連れてきたと考えられる。この犬種は何千年もイベリア半島に存在した。20世紀の初めから出陳され、1946年にスタンダードが作成された。
広大な地所や農場の警護犬として用いられ、牛の群れを追うのではなく、その護衛を務めた。
マドリッド周辺の平原であるエストレマデューラとカスティージャ・ラ・マンチャ地域で発展したので、エストレマデューラまたはラ・マンチャという別称で呼ばれた。

セント・バーナード

- ST. BERNARD

スタンダードNo:61

原産地:スイス

用途 :伴侶犬、護衛犬、ファーム・ドッグ

沿革 :11世紀頃、グラン・サン・ベルナール山道の峠にあたる海抜2469メートルのところに、旅人や巡礼者のための宿坊が設立された。そこには17世紀中頃より護衛と保護のために大型のマウンテン・ドッグが飼われていた。これらの犬の存在は1695年以降の絵画や1707年以降の記録から判明している。犬はすぐ伴侶犬として用いられるようになり、特に、雪や霧で遭難した旅人を捜索するために用いられた。多くの言語で出版されている年代記によると、数多くの人々がこの犬により凍死から救われたと書かれており、1800年にはナポレオンと共に山越えをした兵士による口述があり、19世紀にはヨーロッパ中にセント・バーナードの名声が広まった。このころ、セント・バーナードは〈バリー・ドッグ〉と呼ばれ、伝説の〈バリー号〉は救助犬の代表格となった。セント・バーナードの直接の祖先は大型のファーム・ドッグで、この地域に広く分布していた。何世代かを経て、理想のタイプが改良されていくに従って、今日のタイプのセント・バーナードが作出されるようになった。1884年の2月にはスタッドブックが作られ、最初に登録されたセント・バーナードは“レオン”という犬で、その後28頭の登録があった。1884年3月15日にはバーゼルにスイス・セント・バーナード・クラブが設立された。1887年6月2日に開催された国際畜犬会議ではセント・バーナードは正式にスイスの犬種として公認され、ブリード・スタンダードも拘束力のあるものとして認められた。それ以来、セント・バナードはスイスの国犬である。

セントラル・アジア・シェパード・ドッグ

- CENTRAL ASIA SHEPHERD DOG

スタンダードNo:335

原産地:ロシア

用途 :

沿革 :中央アジアの牧羊犬は平均以上の巨大なサイズで、体躯構成は粗野で、力強く、勇敢で見知らぬ人には用心深く、それほど多くを要求せず、様々な気候条件に容易に適応する。これら全てによって中央アジアの牧羊犬は国内の様々な地方で広く使用されている。セントラル・アジア・シェパード・ドッグが普及している主な地域は中央アジアの共和国及びそれらの国を囲む地域である。

チベタン・マスティフ

- TIBETAN MASTIFF

スタンダードNo:230

原産地:チベット(中国)

用途 :伴侶犬、番犬、護衛犬。

沿革 :チベタン・マスティフ(Do-Khyi)は古くからヒマラヤの遊牧民の作業犬およびチベットの僧院の護衛犬として使用されている犬種である。遥か昔に初めて発見されたときから、多くの謎に包まれている犬種であった。アリストテレス(紀元前384〜322年)から1271年にアジアを訪れたマルコ・ポーロの著書に至るまで多くの歴史的な文書は、この犬種が生まれながらに持つ肉体的、精神的な強さとその印象の強さを称えている。この犬種の独特な咆え声でさえ、非常に貴重な特性であると記されている。Martin、Youatt、Megnin、Beckmann、Siber、さらにはStrebelやBylandtなどのヨーロッパの代表的な犬学者たちは、その起源やチベット文化に於ける役割に魅了され、この犬種を集中的に調査した。チベタン・マスティフが全ての大型マウンテン・ドッグおよびマスティフ・タイプの祖先であると考える者までいた。西洋に紹介された最初のチベタン・マスティフとして知られているのは1847年にハーディング卿(当時のインド総督)によりヴィクトリア女王に送られた牡犬であった。その後、1880年代にはエドワード 7 世(当時の皇太子)が 2 頭のチベタン・マスティフをイギリスに持ち帰った。記録に残っている初期の一胎の子犬は1898年にベルリン動物園で生まれたものである。

ドーベルマン

- DOBERMANN

スタンダードNo:143

原産地:ドイツ

用途 :コンパニオン、警備犬及び作業犬

沿革 :ドーベルマンは最初の繁殖者、フリードリッヒ・ルイス・ドーベルマン(1834.1.2~1894.6.9)の名がつけられたドイツの犬種である。
彼は収税人で、屠畜解体業者であり、またパート・タイムで犬の保護員をしていたと言われていた。彼は捕獲した犬の中から特に際立ったものを交配させた。俗にいう「屠畜解体業者の犬」は当時すでに比較的純血であると考えられており、ドーベルマンの作出において極めて重要な役割を果たした。これらの犬はロットワイラーの初期のタイプであり、錆色の赤い斑をもつ黒い犬で「チューリンゲン」にいたシェパードのタイプがいた。ドーベルマン氏は1870年代にこの混血種を交配させた。彼の犬種は、警戒心があるばかりでなく、非常にすぐれた護衛犬および家庭犬であった。しばしば警備犬、警察犬として使用され、警察犬としての広範囲にわたる使用から「Gendarmedogs(訳注:地方治安警察官犬)」のニックネームがつけられ、20世紀の初めにはドーベルマンは警察犬として正式に認められた。
ドーベルマンは中位のサイズで、力強く、筋肉質な犬であることを求められ、また優雅で高貴でなくてはならず、それはボディラインをみれば明らかとなる。こ とのほか、コンパニオン、警護及び作業犬に適しており、同様に家庭犬としてもふさわしい。

ドゴ・アルヘンティーノ

- DOGO ARGENTINO

スタンダードNo:292

原産地:アルゼンチン

用途 :大型獣猟犬

沿革 :この犬種はアルゼンチン共和国の中央部に位置するコルドバ地方が原産である。作出者は有名な医者であったアントニオ・ノーレス・マルティネス博士で、氏の 犬に対する情熱は1928年に氏が命名した新犬種「ドゴ・アルヘンティーノ」の基礎を作り、スタンダードの確立に導いた。氏の数種類の純血犬種と「コルドバ原産の旧来の闘犬」を秩序だて異種交配することを基礎とした。この闘犬はとても頑強で、活力旺盛であったが、精神及び遺伝的な安定に欠けていた。この犬 種はマスティフ、ブルドッグ、及びブル・テリアによる異種間交配によって作出されたのものである。数世代を通して徹底的に詳細な性格の研究と選別によって ノーレス・マルティネス博士はついに最初の「新犬種」を手にすることに成功した。当初は闘犬として考えられていたが、すぐれた能力を発揮し、「大きな獲物 を捕らえる狩猟犬」となった。
この犬種は非常に多才となり、すぐれたコンパニオンであり、また忠実で立派な護衛犬で、この犬種の力強さ、粘り強さ、鋭い嗅覚及び勇敢さがいのしし、ペッ カリーやピューマなどの狩猟において特に優れている。
1964年5月21日にこの犬種はアルゼンチンKC及びアルゼンチン・ルーラル・ソサエティ(the Argentinean Rural Society)によって公認され、スタッド・ブックへの登録が開始された。
この犬種が最初のアルゼンチン原産犬種であるとしてFCIに承認されたのは1973年7月31日のことであった。作出者の兄弟で後継者である、アウグス ティン・ノーレス・マルティネス博士の尽力によるところが大きい。

土佐

- TOSA

スタンダードNo:260

原産地:日本

用途 :以前は闘犬、現在は番犬

沿革 :我が国における闘犬の歴史は古く、14世紀に遡る。その歴史の裏側でこの犬種は四国犬と洋犬種の混血によって作出され、その繁殖が行われた地方名が犬種名になった。別名ジャパニーズ・マスティフとも呼ばれている。作出に使われた洋犬には1872年にブルドッグ、1874年にマスティフ、1876年にジャーマン・ポインター、1924年にグレート・デーンとの交配改良が順次行われた。その他に、セント・バーナード、ブル・テリアも使ったと言われているが、その年代は明らかではない。以上の犬種の関与によって、マスティフ型の耐久力と闘争心のある闘技犬として固定された。

ナポリタン・マスティフ

- NEAPOLITAN MASTIFF

スタンダードNo:197

原産地:イタリア

用途 :護衛犬

沿革 :AD1世紀にColumelle氏が書いた著書、“de re rustica”には、ナポリタン・マスティフは偉大なローマン・マスティフの子孫であると書かれている。この犬種を戦闘に用いていたローマ軍によりヨーロッパ中に広まり、他のヨーロッパ諸国の多くのマスティフ犬種の祖先となった。ヴェスヴィオ山裾野の田舎で何世紀にも渡って生き延び、ナポリに最も多く生息していた。1947年には、愛犬家グループの粘り強さと献身により再度注目されるようになった。

ニューファンドランド

- NEWFOUNDLAND

スタンダードNo:50

原産地:カナダ

用途 :重荷用のソリ犬、水難救助犬

沿革 :この犬種はニューファンドランド島の土着犬及び1100年以降にバイキングによって連れて来られた大きな黒い熊のような犬が起源である。その後、ヨーロッパの漁師達の到来にともない連れて来られた様々の犬種が交雑し、この犬種の形成に役立てられ、新たに活気づかせることになったが、ニューファンドランド島の犬の本質的な特徴は残していた。1610年に植民地化が始められた際、ニューファンドランド・ドッグはすでにほぼ独自の形態と生まれながらの習性を確立していた。こうした特徴が地上で重荷を引き、また水難救助犬として仕える一方で、厳しい天候や、海の災害に耐えうることを可能にしている。

バーニーズ・マウンテン・ドッグ

- BERNESE MOUNTAIN DOG

スタンダードNo:45

原産地:スイス

用途 :元来はガード・ドッグ、牽引用の犬として又、ベルン州では農場でキャトル・ドッグとして用いられていたが、現在でも多用途に用いられており、家庭犬としても飼育されている。

沿革 :バーニーズ・マウンテン・ドッグは起源の古いファーム・ドッグ(農場で飼われている犬)で、ガード・ドッグや牽引犬として又、ベルン周辺の山岳地帯や中部 で牛追いに用いられていた。この長毛でトライカラーのファーム・ドッグが特に数多くいた地域では、ベルン州のリギ山の近くの村落とデュールバッハの旅館の 名前をとって、元来デュールベッヘラーと呼ばれていた。
1902年、1904年、1907年にはこの犬種はすでにドッグ・ショーに出陳されていた。
1907年には、ブルクドルフ地方のブリーダー達が「スイス・デュールバッハ・クラブ」を設立することによってこの犬種の純血繁殖を推進し、またこの犬種 の特徴を固定しようとした。1910年にブルクドルフで開かれたショーには、その地方の多くの農場主たちがデュールベッヘラーを出陳し、すでに107頭も の犬が出陳されていた。この日より、 (スイス・マウンテン・ドッグの他の犬種の例に従って)この犬は“バーニーズ・マウンテン・ドッグ”と名称変更され、スイス中とドイツの隣接する地域で急 速に高く評価されるようになった。今日、バーニーズ・マウンテン・ドッグは印象的なトライカラーの被毛と適応力の高さ故に、世界中でよく知られ、家庭犬、 伴侶犬として高く評価されている。

ピレニアン・マスティフ

- PYRENEAN MASTIFF

スタンダードNo:92

原産地:スペイン

用途 :護衛犬、防衛犬。ピレニアン・マスティフは以前、害獣からの防衛のために用いられ、特に狼やクマなどに対して用いられていた。この犬種はたいへん訓練を入れやすいため、今日、農園やその所有者の申し分ない護衛犬として活躍している。

沿革 :ピレニアン・マスティフはスペインのアラゴンからナヴァラにかけて広がるピレネーの山奥で発展した。かつてはナヴァラ・マスティフと呼ばれていた。あわや絶滅という危機を乗り越えて近年新たな注目をあびているが、今なお稀少犬である。

ブラジリアン・ガード・ドッグ

- BRAZILIAN GUARD DOG

スタンダードNo:225

原産地:ブラジル

用途 :番犬、伴侶犬

沿革 :南米大陸は歴史的に犬とかかわりがとぼしく、その上どの国も建国して日が浅く、自国原産犬種を持っている国が少ないが、その中にあってアルゼンチンのドゴ・アルヘンティーノとともにこのブラジリアン・ガード・ドッグは、珍しい南米原産の犬である。17世紀にブラジルへやってきた、ポルトガルやスペインの征服者によって、この地へもたらされたスペイン・マスティフ、ボルドー・マスティフ、ブラッドハウンド、ブルドッグ、マスティフなどの交雑によって作出され、そのするどい嗅覚で熱帯雨林にのがれた犯人追跡や家畜の番犬として使用されてきた。都市化が進むにつれて、その役割が次第に変わったことから、性格や体型の改良がはかられ、現在はショー・ドッグとしても愛育されている。ブラジル、アルゼンチンで多く飼育されている。

ブルドッグ

- BULLDOG

スタンダードNo:149

原産地:イギリス

用途 :家庭犬

沿革 :1630年代に初めて分類されていたが、それ以前でも、今日では闘犬タイプの犬を参照する用語であるBangdogと似通ったタイプがいたとの記述がある。もともとはブルベイティングとして使用されていたブルドッグは、1835年以降に現在知られているような短吻で、よりずんぐりした体型に変貌していった。1860年に出陳され、その翌年には大きな変化を遂げた。家族や友人に対し愛情深く、優しい気質を隠す、ボクシング選手のような表情をしている独特な犬である。最も古い原産犬種の一つであり、イギリスの国犬としても知られるこの犬種は、世界中で英国の決意や伝説のジョン・ブルと結び付けられている。

ブルマスティフ

- BULLMASTIFF

スタンダードNo:157

原産地:イギリス

用途 :番犬、家庭犬

沿革 :暗闇に乗じて狩猟地を荒らす侵入者の撃退など、夜間の番犬として19世紀中ごろ作出された犬種である。作出にあたって使用されたのは、犬種名のとおりブルドッグとマスティフだった。1900年ごろ単独犬種展がおこなわれたこともあったが、タイプが古く、また一定していなかったこともあり、人気が落ちたこともあった。その後改良が重ねられて1925年に至りほぼ現在の犬種標準に近いスタンダードが公認された。

プレサ・カナリオ

- PRESA CANARIO

スタンダードNo:346

原産地:スペイン

用途 :畜牛を守るための番犬。

沿革 :モロシアン・タイプの犬で、テネリフェ島及びカナリア島が発祥地である。これらの島々の古代からの土着犬である「majorero」とカナリア島に持ち込まれた他のモロシアン犬種間との交配結果であるとされている。
このような交配により適度に大きなサイズで、ブリンドルまたはマーキングを伴うフォーンで、モロシアンタイプでありながら、鋭敏で力強く、強い気質を持ち、頑丈、活発で、忠誠心があるものが生み出された。
16世紀及び17世紀に、それらの犬の頭数は飛躍的に増加し、ノルマン征服以前の歴史書、特に「Cedularios del Cabildo」(国内記録簿)の中で多く言及されている。そこには畜牛を守る番犬としての任務が説明されている。

ボクサー

- BOXER

スタンダードNo:144

原産地:ドイツ

用途 :コンパニオン、ガード・ドッグ及びワーキング・ドッグ

沿革 :ブラバント地方のブレンバイサーと呼ばれている小型の犬がボクサーの直接の祖先と考えられている。当時ブレンバイサーの繁殖は主に猟師によって行われ、狩猟の際に使用された。その作業とは、ハウンドによって追いつめられた獲物を捕らえ、猟師が到着し、止めを刺すまでそれをしっかりと獲保することであった。そのためにはしっかり咥えて保持することが必要であるため、できるだけ大きな口としっかりした幅広い歯列を持っていなければならなかった。これらの特徴を持つブレンバイサーがこの作業に最も適しているとして繁殖に使用された。以前は、作業能力及び使用目的に適しているかどうかという点のみが考慮されていた。選択繁殖が行われ、幅広いマズルと上向きの鼻を有する犬が作出された。

ボルドー・マスティフ

- BORDEAUX MASTIFF

スタンダードNo:116

原産地:フランス

用途 :護衛、護身、諫止(いさめる)のための犬

沿革 :ボルドー・マスティフ(ドッグ・ド・ボルドー)は古代フランス犬種の中でも最も古い犬種の一つであり、おそらくアラン(中世ヨーロッパにいた大型犬)の子孫だと思われている。14世紀頃にフォワ州のガストン・フェブス伯爵によって書かれた『狩猟の本』には、「アラン・ヴォートル」は「3頭のサイトハウンドの咬筋を合わせたよりも強い咬筋がある。」と書かれている。
“dogue”(ドッグ)という言葉は14世紀末に初めて登場した。19世紀中頃、これらの古代“dogue”はアキテーヌ地方以外ではほとんど知られていなかった。この犬種は猪などの大きな獣を捕らえるために用いられ、闘犬として、又、家や家畜を守らせたり、肉屋の番犬として用いられていた。1863年には、パリの動物園でフランスで初めてのドッグ・ショーが開催された。その時初めて現在の名称、ボルドー・マスティフ(ドッグ・ド・ボルドー)として出陳された。これらには異なるタイプがある。トゥールーズ・タイプ、パリ・タイプ、ボルドー・タイプがおり、これが今日の“dogue”(ドッグ)の起源である。第2次大戦中、非常に苦しみぬき、第2次大戦後、絶滅の恐れがあったこの犬種は1960 年に再出発した。

マスティフ

- MASTIFF

スタンダードNo:264

原産地:イギリス

用途 :番犬、家庭犬

沿革 :チベタン・マスティフを祖先犬とする非常に古い犬種である。紀元前700年頃のバビロンのレリーフにマスティフが野生馬とライオン狩りに利用されている図 が描かれている。オールド・イングリッシュ・マスティフがローマに知られたのは、ジュリアス・シーザーがイングランドに遠征したとき持ちかえり、ライオン などと闘技させたことによる。この前後から軍用犬としても使用され、その勇敢さからか一時期マスティフは猛獣として取り扱われた時代もあったと伝えられて いる。エドワード一世のころから盛んとなった熊との闘技はベア・ファイティングと呼ばれ、イギリス人を熱狂させ、17世紀のころは国技とさえみなされた。 この闘技が廃止された1642年以降は飼育頭数も減少する一方だったが、ドッグショーが一般化されたのを機に再興がくわだてられて改良され、約100年前 に現在の標準となった。

ミニチュア・シュナウザー

- MINIATURE SCHNAUZER

スタンダードNo:183

原産地:ドイツ

用途 :家庭犬、愛玩犬

沿革 :小型のシュナウザーは19世紀末にフランクフルト・アム・マインで繁殖されたが、その頃はまだ粗毛のミニチュア・ピンシャーと説明されていた。様々な形や サイズ、タイプ、毛質(粗毛、柔らかい毛、シルキーな毛)のものがいたため、この犬種の兄にあたるスタンダード・シュナウザーの外貌と特徴を備えた小さな 犬種を作出するのは大変な作業だった。

ミニチュア・ピンシャー

- MINIATURE PINSCHER

スタンダードNo:185

原産地:ドイツ

用途 :家庭犬及びコンパニオンドッグ

沿革 :20世紀の始め頃からすでに多く飼育されており、1925年のドイツのスタッド・ブックでは1300頭もの登録があった。ジャーマン・ピンシャーのように、様々な毛色から、明るめの斑があるブラック、レッド一色からレッド・ブラウンまでの毛色が選択繁殖された。

レオンベルガー

- LEONBERGER

スタンダードNo:145

原産地:ドイツ

用途 :番犬、伴侶犬、家庭犬

沿革 :シュツットガルト近郊のレオンベルク州の議員であったハインリッヒ・エスィヒ氏は1830年代末から1840年代初頭にかけて、ブラック・アンド・ホワイ トの牝のニューファンドランドと、グラン・サン・ベルナール修道院の施設で飼われていた牡犬、通称「バリー」を交配させた。後にはピレニアン・マウンテ ン・ドッグが混血された。その結果、著しく長く白い被毛を持つ巨大な犬が生まれた。エスィヒ氏の目的はライオンのような犬を作出することであった。ライオンはレオンベルクの紋章の絵柄となっている動物である。
「本物の」レオンベルガーと呼ばれる最初の犬は1846年に誕生したが、これらの犬には、その由来となった犬種の優れた特性が結集されていた。まもなくこ れらの犬の多くが地位の象徴として、レオンベルクから全世界に向けて売られるようになった。19世紀末には、レオンベルガーは好ましい牧畜犬として、バー デン・ビュルテンベルクで飼育され、その見張りの能力と牽引能力は高く評価された。
第1次・第2次世界大戦中と戦後の貧窮した時代、ブリーディング・ストックの数は激減した。レオンベルガーは今日、現代の生活におけるあらゆる必要を満たす優秀な家庭犬となっている。

ロットワイラー

- ROTTWEILER

スタンダードNo:147

原産地:ドイツ

用途 :家庭犬、サービス犬及び作業犬

沿革 :ロットワイラーは最古の犬種の一つであると考えられ、その起源はローマ時代までさかのぼる。この犬種は家畜の番犬および追い立てる犬として飼育され、ローマ軍とともにアルプス山脈を越え、人間を護衛し家畜を追い立てた。ロットワイル地方で、この犬種はその土地固有の犬と自然な交配を行った。今日のロットワイラーの主な仕事は家畜を追い立て、主人を護衛しまた財産を守ることである。犬種名はロットワイルの旧自由市から名付けられ、「ロットワイルの肉屋の犬」として知られてきた。やがて警護犬及び追い立てる犬から、次第に牽引犬として使用されるまでに発達し、20世紀初頭には警察犬として試験され、警察犬として大変適性があることが明らかになり、1910年には警察犬として正式な承認を受けた。
ロットワイラーのブリーダーはあふれる体力と鮮明な濃いタン・マーキングのある黒い被毛を持つ犬を繁殖するように努めている。力強さを感じさせる外観は高 貴さを欠くことなく、とりわけ家庭犬、サービス犬並びに作業犬として最適である。

グループ(FCI10グループ)別

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