3G:テリア

テリア
TERRIERS
穴の中に住むキツネなど小型獣用の猟犬

アイリッシュ・ソフトコーテッド・ウィートン・テリア

- IRISH SOFT-COATED WHEATEN TERRIER

スタンダードNo:40

原産地:アイルランド

用途 :ウィートン・テリアは主に小農場主により使用され、農場で害獣を駆除し、作業を助けた。またアナグマや、カワウソの狩猟など困難な仕事上でも長年使用されてきた。

沿革 :アイリッシュ・ソフトコーテッド・ウィートン・テリアの沿革は他のアイルランドのテリアに類似しているためにやや曖昧なところがあった。おそらくウィートンはアイルランドの4犬種の中で最も古いであろう。少なくとも200年間存在していたことは「ソフト・コーテッド・ドッグ」に関する文書の記述から推測することができる。今日のアイリッシュ・テリアとの関係は、慎重な選択の結果であったと思われる。そこで質の劣るウィートンはかなり混雑した祖先を持つと考えられる。ウィートン・テリアの長い歴史にも関わらず、アイリッシュ・ケネル・クラブに正式に公認されたのは1937年のことであった。これ以降徐々に人気を集め、今日では広く知られている。

アイリッシュ・テリア

- IRISH TERRIER

スタンダードNo:139

原産地:アイルランド

用途 :農家の多用途犬、家庭犬、危険やけがを恐れない警護犬、猟犬

沿革 :アイリッシュ・テリアはおそらく最も古いアイルランドのテリア犬種であろうと言われている。1880年代までアイリッシュ・テリアの色は固定していなかった。レッドとは別に、ブラック・アンド・タン又はブリンドルが時々見られた。19世紀末には、ブラック・アンド・タン及びブリンドルを淘汰して繁殖する努力が行われ、20世紀までにはすべてのアイリッシュ・テリアはレッドの被毛になった。レッドのアイリッシュ・テリアはすぐにイギリス及びアメリカ合衆国のドッグショーで見られるようになり、熱烈な支持を得た。アイリッシュ・テリアの名声は第1次世界大戦の間に高まり、当時この犬種は伝令犬としてひどい騒音や、塹壕戦の混乱の中で使用され、その利口さと恐れない性格が証明された。この犬種の最初のブリード・クラブは1879年3月31日ダブリンに設立され、アイリッシュ・テリアはアイルランド原産犬種として19世紀後期にイングリッシュ・ケネル・クラブ(ザ・ケネル・クラブ)に公認された最初のテリア・グループ犬種であった。

アメリカン・スタッフォードシャー・テリア

- AMERICAN STAFFORDSHIRE TERRIER

スタンダードNo:286

原産地:アメリカ

用途 :

沿革 :この犬種の起源は1800年代初期の、テリアやブルドッグにまでさかのぼり、非常に多くの犬種がその作出に関わってきた。その犬種は、スタッフォードシャー・ブル・テリア、ブル・テリア、オールド・イングリッシュ・ホワイト・テリア、ブラック・アンド・タン・テリア、ブルドッグ、マスティフ、ポインター、ダルメシアン等である。
1935年にAKCはスタッフォードシャー・テリアとして公認し、1972年にはアメリカン・スタッフォードシャー・テリアと改めた。数多くの犬種との混血を繰り返し、初期には、より強い闘犬を作ることに重点を置いていた。その結果、スタッフォードシャー・ブル・テリアとは少しずつ異なったものとなっていった。スタミナに富み勇敢で適応力と知性を持ち、闘犬としては無類の豪胆さと防衛能力を持つ犬となった。この犬種の肉体的及び精神的な種々の美点は、多くの愛犬家の認めるところとなり、闘犬とは別にショー・ドッグとしてドッグ・ショーの世界において確固たる地位を占めるようになった。

ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア

- WEST HIGHLAND WHITE TERRIER

スタンダードNo:85

原産地:イギリス

用途 :テリア

沿革 :ケアーン・テリアからしばしば白色の犬が生まれ、昔はこれを除去していた。ボルタロッチのマルコルムスはこの白いケアーン・テリアに興味を持ち、他の白い犬種を利用して白いテリアをふやしていった。この白いテリアがウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの出現に大きな影響を与えた。長い間この犬種とケアーン・テリアの交配が認められていたが、AKCが1917年両犬種の間から生まれた子犬の登録を認めないようになり、両犬種は完全に分離されるようになった。

ウェルシュ・テリア

- WELSH TERRIER

スタンダードNo:78

原産地:イギリス

用途 :テリア

沿革 :ウェルシュ・テリアは真のワーキング・バックグラウンドを持つ犬種である。ウェルシュ・テリアは同じグループの犬種と比べるとやや毛量が少ない。多くの従兄弟たちのように、この犬種は元々、狐やアナグマ、また、カワウソを狩るために用いられていた。かなりの類似性を持つウェルシュ・テリアとレークランド・テリアは、ローマがイギリスに侵略する前にケルト族がウェルシュ・マウンテンや湖水地方に撤退した際は共通の血統だったかもしれない。こざっぱりとし、通常ブラック・アンド・タンのごわごわした被毛を持つ作業能力に富んだ犬である。

エアデール・テリア

- AIREDALE TERRIER

スタンダードNo:7

原産地:イギリス

用途 :テリア

沿革 :キング・オブ・テリアといわれ、テリアの中では最も大きい犬種である。17世紀頃ヨークシャー地方のエア川の渓谷のかわうそをオッター・ハウンドを使用して狩猟する人々がいた。しかし、その犬の飼育を許されない人々が大きめのテリア系の犬を飼育し、狐狩りなどに用いていたが、やがてこの犬とオッター・ハウンドが交配されさらに大型になり、アイリッシュ・テリアなどの血液が混入されて大型のテリアとなったようである。1864年よりはるか昔からウォーター・サイド・テリア、ビングリー(地名)・テリアと呼ばれ、カワウソ猟や他の獣猟に従事していた。1878年エアデール・テリアと命名され、1884年のショーで優勝、人気犬種となった。日本では昭和5年頃より軍用犬として飼育され一般市民に普及した。

オーストラリアン・シルキー・テリア

- AUSTRALIAN SILKY TERRIER

スタンダードNo:236

原産地:オーストラリア

用途 :テリア

沿革 :テリアという名称は、本来イギリスとアイルランドの二国がある大小のブリテン島で土中や穴居する小害獣を捕らえる犬やその系統の犬に与えられたものである。この犬たちが魅力的だったことから他の国でもテリアを母胎とした犬種づくりがおこなわれた(例:日本テリア)。
オーストラリアン・シルキー・テリアは19世紀の末のオーストラリアにおいて、ヨークシャー・テリアといろいろなテリアの混血で作られたオーストラリアン・テリアから作出された。シドニー・シルキーと呼ばれたこともある。ショーに出陳されたのは1907年で、犬種基準が制定されたのはその2年後だった。原産国とインド以外では飼育されなかったが、1959年アメリカに紹介されて以来多くの国で飼育されるようになった。

オーストラリアン・テリア

- AUSTRALIAN TERRIER

スタンダードNo:8

原産地:オーストラリア

用途 :テリア

沿革 :1880年頃、オーストラリアで、ヨークシャー・テリアにスカイ・テリアやダンディ・ディンモント・テリア、ケアーン・テリアなどの混血によって作られた犬種であるが、はじめの頃はオーストラリアン・シルキー・テリアとの区別が難しく、作業犬テリアとして、絹糸状のコートを嫌い、ボディ・コートの長さを5~6cm位にするため、スカイ・テリアとの交配を禁じて、固定した犬種である。イギリスでは1933年に公認された。

ケアーン・テリア

- CAIRN TERRIER

スタンダードNo:4

原産地:イギリス

用途 :テリア

沿革 :テリアのなかでもっとも古い犬種といわれ、ジョン・レスリーの『1436年から1561年に至るスコットランドの歴史』のなかで「地を掘って狐、穴熊、カワウソ、山猫などを退治する犬」はこの犬を指していると多くのひとに信じられている。
ジェームズ一世(1566~1625)はこの犬を国の誇りとして「土の犬(=テリア)」をフランス王室への贈り物としたとき、二隻以上の船に分乗させるよう命じたほどである。当時この犬は単にテリアと呼ばれ特別に犬種名はなかった。ドッグショーが始まり犬籍簿が整理されるようになっていろいろな犬種名が考えられたが、スコットランドを代表する適当な地名が他の犬種に先に使用されていたため、やむをえずケアーン(積石)と名乗った。岩場の穴や積石のなかに入って小獣を追い出していたからである。古いテリアでありながら地名を名乗っていない理由である。

ケリー・ブルー・テリア

- KERRY BLUE TERRIER

スタンダードNo:3

原産地:アイルランド

用途 :深い水の中でカワウソを捕らえるという厳しい仕事や、地中でアナグマを捕らえたり、害獣を捕らえるのに用いられている。番犬としても相応しく、忠実な伴侶犬である。

沿革 :ケリー・ブルー・テリアは何世紀も前からアイルランドに生存していたと推測されている。ケリー・ブルー・テリアに関する最初の書籍はおそらく1847年のもので、その著者はブルーがかったスレート色のこの犬を、大きな暗色の斑があり、脚やマズルにしばしばタンが見られると説明している。この黒味を帯びたブルーのアイルランドのテリアはケリー郡で普及していたが、1913年にショーに出陳され、1920年にダブリン・ブルー・テリア・クラブが設立され、アイルランド愛国者のマスコット的存在として急速に人気が出た。その後、この犬種を奨励するクラブが4つも出来、1922年から1924年の間にショーやフィールド・トライアルが開催され、1928年までには、この印象的なバランスの取れたテリアは、その美しく、柔らかいブルーの被毛により世界的に人気がでて、優秀なワーキングドッグ及びコンパニオンドッグとしての評判は、「ほぼ完璧」という評価で一致していた。

シーリハム・テリア

- SEALYHAM TERRIER

スタンダードNo:74

原産地:イギリス

用途 :テリア

沿革 :ウェールズのシーリハムに住んでいたジョン・エドワード大佐によって1850年から1891年にかけて作出された比較的新しいテリアである。作出の目的は、オッター・ハウンドといっしょに水辺で働く猟犬を得るためであった。カワウソだけでなく穴熊や狐などを捜し出す小柄であって猟好きな活動的な犬種を作り出すため、いろいろなテリアにコーギーなどを配したといわれている。作業目的を重視したので最初は体型にあまりこだわらなかったらしいが、ショー・ドッグとして考えるようになってワーキング・テリア・タイプから現在のタイプに変わった。ショーに最初に登場したのは1903年である。非常に大きな吠え声で小獣を追い出す獣猟犬として用いられたことで有名なテリアである。

ジャーマン・ハンティング・テリア

- GERMAN HUNTING TERRIER

スタンダードNo:103

原産地:ドイツ

用途 :特に土中の穴での狩猟や猟鳥フラッシングに適した様々な用途のハンティング・テリア

沿革 :第1次世界大戦後、ハンティング能力の高い犬種を作出するべく、経験のある狩猟家で、かつ繁殖家であるルドルフ・フリーセ氏等が、ブラック・アンド・タン・ハンティング・ドッグを地下で狩猟をするのに特に適した犬種として選出した。彼等は純粋なフォックス・テリアの血統である4頭のブラック・アンド・タン・テリアをジャーマン・ハンティング・テリアのファンデーション・ストックとし、さらに集中的な繁殖を行い、オールド・イングリッシュ・ワイアーヘアード・テリアやウェルシュ・テリアとの巧みな交配から何年も経て、この犬種の外貌に手直しを加えることに成功した。同時に、多才で、訓練を入れやすく、たくましく、よく吠え、水が好きで、明確な狩猟本能がある犬種を作出することに重きを置いた。ジャーマン・ハンティング・テリア・クラブは1926年に設立された。ブリーダーは今まで同様に、ハンティング・ドッグとしての有益性や、落ち着いた性格、勇気や獲物を追う能力に重きを置くよう注意を払っている。

ジャック・ラッセル・テリア

- JACK RUSSELL TERRIER

スタンダードNo:345

原産地:イギリス (改良国:オーストラリア)

用途 :作業犬として適しており、穴に入りこむ能力をもつ。すぐれた家庭犬である。

沿革 :ジャック・ラッセル・テリアはジョン・ラッセル牧師の尽力により1800年代にイングランドで作出された。牧師はキツネや他の獲物を追うフォックス・ハウンドと共に走り、巣穴に潜り込んで、追い立てるのに見合った犬を作出するために、フォックス・テリアの血統を改良した。基本的に似通ったスタンダードをもつが、体高とプロポーションが異なる2つのバラエティーに発展した。体高が高く、よりスクエアな体格に近いものが、今日ではパーソン・ラッセル・テリアとして、また体高が低く、わずかに体長が長いものが、ジャック・ラッセル・テリアとして知られている。

スカイ・テリア

- SKYE TERRIER

スタンダードNo:75

原産地:イギリス

用途 :テリア

沿革 :この犬種はテリアのなかでもっとも古い犬種のひとつである。スコットランドの西北端のスカイ島やミスティ島を主に、ウエスト・ハイランド一帯に広く分布されていた。エリザベス女王の侍医で学者であり犬の研究家だったジョン・ケイアスは、1570年ごろ「もっとも北の端の未開の国境から連れ出され……毛の長さのため顔もからだも見えないようになっている---」とスカイ・テリアを連想させる犬のことを書いている。一説には1587年に編成されたスペインのアルマダ艦隊の一隻が、アイルランドの西海岸で難破した際、白色長毛のスペイン犬がスカイ島に漂着してこの犬種の先祖になったともいわれている。
昔から穴熊やカワウソなどの猟に用いられていたが、現在ではそのころよりからだが大きくなり、同時に猟欲が失われ、ほとんど装飾的な被毛を愛好するひとにより飼育されるようになった。

スコティッシュ・テリア

- SCOTTISH TERRIER

スタンダードNo:73

原産地:イギリス

用途 :テリア

沿革 :はじめハイランド地方のアバディーン市付近で、飼われたので、アバディーン・テリアと呼ばれた。19世紀末に、西海岸スカイランドで、土着犬として、スコティッシュ・テリアと呼んだ。主として穴熊やカワウソ猟に用いられた。その犬種はケアーン・テリアと同族であったことは、ほぼ確実であるが、よりテリア気質を有するこの犬種は、1940年代に世界的に流行を見た。

スタッフォードシャー・ブル・テリア

- STAFFORDSHIRE BULL TERRIER

スタンダードNo:76

原産地:イギリス

用途 :テリア

沿革 :闘犬用にブルドッグとスムース・フォックス・テリアやホワイト・イングリッシュ・テリアを交配して作出されたといわれている。この犬種が発生してから 300年は経過しているものと思われる。なぜなら、1700年代から1800年代にかけて闘牛競技が盛んであり、この犬が使用されていたからである。当時はブル・アンド・テリア・ドッグ、ハーフ・アンド・ハーフ(ブルドッグとテリアが半々という意味)、またはピット・ドッグなどとも呼ばれていた。
しかし、1835年闘犬による競技が廃止されて人気が離散し、ウェールズやスタッフォードシャーで愛好家により細々と飼育されるのみだった。その時代にマ ンチェスター・テリアが配され軽いタイプに改良された。100年後の1935年クラブが設立され人気犬種となった。 ブル・テリアの先祖であり、アメリカン・ピット・ブルもこの犬種による。

スムース・フォックス・テリア

- SMOOTH FOX TERRIER

スタンダードNo:12

原産地:イギリス

用途 :テリア

沿革 :非常に古い犬種と思われるが、その起源や沿革は不明である。貴族のスポーツとして愛好された狐狩りに使用され、フォックス・テリアと呼ばれるようになったのは18世紀頃らしい。古い時代の毛色は狐色だったといわれ、フォックス・ハウンドが狐を追い、フォックス・テリアを岩場や巣穴で使用したが、毛色が狐と似ていることからしばしばフォックス・テリアを誤射することがあった。また、ハウンドの役目もこなせるようなテリアが求められ、ハウンドが配されて三色毛のスムースが誕生し、さらに他のテリアと混血されワイアーとなった。1862年バーミンガムのショーに出陳されたが、この時の犬はスムース・タイプのフォックス・テリアだったといわれている。1876年クラブが設立された後改良がいちじるしく進み、20世紀に入り世界的な人気犬種になった。

ダンディ・ディンモント・テリア

- DANDIE DINMONT TERRIER

スタンダードNo:168

原産地:イギリス

用途 :テリア

沿革 :文学作品の登場人物の名前が犬種名となった珍しい例である。19世紀の初め頃作家のサー・ウォルター・スコットがスコットランドに旅行してこの犬種に出逢い、1814年に発行された小説『ガイ・マナリング』の中で農夫ダンディ・ディンモントが飼育する6頭の勇気あるテリアとして描写し有名となった。このテリアは1700年頃スコットランドとイングランドの境界にあたるチェビオト丘陵の猟師により小型猟犬として作出されたといわれている。剛い毛をもつテリアとダックスフンドの交配、または、オッター・ハウンドとの交雑も考えられる。1770年にゲインズボローが描いた肖像画にこの犬種を見ることができる。 1875年までこの犬種は無視され、1867年のバーミンガムのショーでは「このような得体の知れない犬に賞を与えられない」とまでいわれた。1875年クラブが設立され以後一般にも認められるようになった。

チェスキー・テリア

- CHESKY TERRIER

スタンダードNo:246

原産地:チェコ共和国

用途 :元は狐やアナグマの狩猟に使用されていたテリア犬種である。今日は狩猟犬というよりは家庭犬及びコンパニオン・ドッグである。

沿革 :チェスキー・テリアは、実用的な垂れ耳を持ち、グルーミング及び訓練が容易な、軽量で、脚が短く、健全なハンティング・テリアを作出することを目的とし、牡のシーリハム・テリアと牝のスコッチ・テリアを計画的に交配し、作出された犬種である。1949年にプラハ近郊のクラノヴィツェ出身のFrantisek Hork氏がこの犬種の特徴を固定するための改良に着手した。1959年に初めて出陳され、1963年にFCIに最終公認された。

トイ・マンチェスター・テリア

- TOY MANCHESTER TERRIER

スタンダードNo:13

原産地:イギリス

用途 :テリア

沿革 :19世紀中頃イギリスで作出された。ネズミとりを目的として、たくましい戦闘力や頑丈な体をもった小型マンチェスター・テリアが期待されていた。しかし小型化するためのきびしい選択繁殖のくり返しや食事の量をへらすことなどから、期待したほどの成果が挙がらず、また、時代的にも作業テリアより愛玩テリアが好まれたこともあって弱々しいタイプとなった。このタイプの犬が好まれたのは19世紀末までであり、20世紀になって体重の上限(約3.1kg)が緩和され健全なタイプとなった。
トイ・マンチェスター・テリアと呼ぶのは日本やアメリカなどで、イギリスではイングリッシュ・トイ・テリアと呼んでいる。かつてはブラック・アンド・タ ン・ミニチュア・テリアと呼ばれたこともある。

日本テリア

- JAPANESE TERRIER

スタンダードNo:259

原産地:日本

用途 :愛玩犬

沿革 :1700年代にオランダから長崎に渡来したスムース・フォックス・テリアを祖として、土着の小型犬を配して、日本的に改良したもの。“お雪テリア”または “ミカド・テリア”と称して、主に神戸、横浜などの港町で、抱き犬として愛育され、昭和の初めごろ計画的な改良繁殖によって固定された。

ノーフォーク・テリア

- NORFOLK TERRIER

スタンダードNo:272

原産地:イギリス

用途 :テリア

沿革 :19世紀後半、イングランド東部のノーフォーク州の州都ノーリッチ市で、他の小型テリアの普及が十分でない時代、小型で丈夫で、猟欲に富んだ犬を作出する目的で作られたテリアである。
そして猟人やケンブリッジ大学の学生にももてはやされ飼育された。
犬種の完成にあたって使用されたのは、小型のアイリッシュ・テリアやボーダー・テリアやグレン・オブ・イマール・テリアなどである。
1932年、ノーリッチ・テリアの名称でイギリスKCに登録が認められ、1964年に至り、垂れ耳タイプがノーフォーク・テリアとして独立した。

ノーリッチ・テリア

- NORWICH TERRIER

スタンダードNo:72

原産地:イギリス

用途 :テリア

沿革 :ノーリッチ及びノーフォーク・テリアの犬種名は国及び都市に由来しているが、1800年代前半から半ばに遡ると、それらの犬種は一般的に単なるファーム・ドッグであり、区別されていなかった。グレン・オブ・イマール、レッド・ケアン・テリア及びダンディ・ディモントがそれらイースト・アングリアン・テリアの背景にある犬種の一部であり、その結果、レッドの子孫が現在のノーリッチ及びノーフォーク・テリアに現れている。健全で、狐やアナグマだけでなく、ネズミに対しても使用されたコンパクトなボディをしている典型的な短足のテリアである。陽気で、恐れを知らないが、けんかをしかけたりはしない。作業犬としては地中にいる獰猛な敵に屈せず、この犬種のスタンダードで「名誉の傷跡」は許容されていることが、この犬種のタイプをよく示している。ノーリッチ・テリアは1932に英国KCに犬種登録され、当時は垂れ耳のノーリッチ・テリア(現在ではノーフォーク・テリアとして知られている)、及び立ち耳のノーリッチ・テリアとして知られている。それらの犬種は1964年に分割され、垂れ耳のバラエティーにはノーフォーク・テリアという犬種名が与えられた。

パーソン・ラッセル・テリア

- PARSON RUSSELL TERRIER

スタンダードNo:339

原産地:イギリス

用途 :頑強で、執着心の強いワーキング・テリア。穴に潜る特殊な能力を持つ。

沿革 :この犬種の作出者、ジョン(ジャック)ラッセル牧師は、1795年にデボン州ダートマスで生まれた。彼は聖職者になり、その牧師としての生涯のほとんどをデボン州スイムブリッジ教区で過ごした。乗馬ならびに狩猟を長年たしなみ、テリアの繁殖、選別に情熱的に関わるようになった。1873年英国ケネル・クラブが創設され、彼は初期メンバーの一人となる。1883年87歳で死去。オックスフォード大学在学中に、初めてのテリアを飼ったが、それは頭部にマーキングのあるホワイトのワイアヘアードの牝で、今日のスタンダードと極めて似ていた。ジャック・ラッセルはさまざまな種類のワーキング・テリア間の、つまり単色、及びパーティ・カラー間の交配を数多く行った。彼の目的は常に、タイプの統一に固執することではなく、とにかく狩猟の素質を高めていくことにあった。この異なるテリア犬種間の交配の伝統は、後々まで続いた。また彼はこのテリアを複数の他犬種と交配させることを試みたが、祖先のジャック・ラッセルのタイプとは異なるものが生まれ、その努力の結果に失望して、ついには、あきらめざるを得なかった。第二次大戦後は、この犬種はヨーロッパ大陸で、特に狩猟家・乗馬愛好者のあいだで、とてももてはやされた。1990年1月22日、英国ケネル・クラブはこの犬種を認定し、パーソン・ジャック・ラッセル・テリアという名前で公認暫定スタンダードを発行した。FCIは2001年6月4日に公認犬種とし、犬種名をパーソン・ラッセル・テリアとした。

ブル・テリア

- BULL TERRIER

スタンダードNo:11

原産地:イギリス

用途 :テリア

沿革 :ブル・ファイティング(闘犬による牛いじめ)やベア・ファイティング(熊いじめ)が盛んだった19世紀初め頃のイギリスで、ブルドッグとテリアによって作出された犬種である。したがって作出された目的は闘犬だった。ただ作出の過程で、同じくブルドッグを先祖とするスタッフォードシャー・ブル・テリアが中間に介在しており、ブルドッグから直接ブル・テリアが作られたわけではない。また絶滅した白のイングリッシュ・テリアの血も加えられているが、その頃は毛色もいろいろだった。
1835年闘犬が廃止されたことから闘争心が排除され、体形もだんだんスマートになっていった。1860年頃白いブル・テリアが出現し、これは品種改良の革命的出来事として評判を呼び、19世紀末の新犬種作出ブームや犬種改良ブームにつながった。一時有色犬が認められなかったが、1936年に承認され、区別して取り扱っている国もある。

ベドリントン・テリア

- BEDLINGTON TERRIER

スタンダードNo:9

原産地:イギリス

用途 :テリア

沿革 :多くのテリアの起源がはっきり書き遺されていないように、この犬種もまた発生時の事情が不明である。
1825年にベドリントン・テリアという犬種名が与えられるまでは、ロスベリー・テリアまたはノーザンバーランド・フォックス・テリアと呼ばれていた。ノーザンバーランド州の渓谷でダンディ・ディンモント・テリアやオッター・ハウンドなどの混血で作出されたが、特に同州のベドリントン市周辺に住む炭鉱労働者たちのペットとして愛された。
ドッグショーで単独審査クラスを与えられたのは1870年で当時はトリミングがされていなかった。1877年にナショナル・ベドリントン・テリア・クラブ が創立されて以来形態的にも洗練されたものとなり、普及されるようになった。
ベドリントン・テリアが日本へ紹介されたのは1963年でその歴史は浅いが、長脚テリアとして愛好家が多い。

ボーダー・テリア

- BORDER TERRIER

スタンダードNo:10

原産地:イギリス

用途 :テリア

沿革 :イングランドの辺境のボーダーズ地方のチェビオト丘陵付近のタイン川一帯で農夫や羊飼い、猟師によって飼育されていた小害獣猟用の犬である。きわめて古い犬種で、ダンディ・ディンモント・テリアとベドリントン・テリアと古いワーキング・テリアの混血によって生まれたものと想定される。しかし文献に現れたのは1882年が初めてで、それによると狐を穴から追い出す仕事に従事していた。
素朴で勇気を有し、疲れを知らない犬種として大型猟犬に一歩もひけをとらないことからボーダーズ地方ではどの家でも飼われていたといわれている。大事にさ れ他の地方へ出されなかったので公認されたのは1920年である。生れ故郷の名が犬種名となった。

マンチェスター・テリア

- MANCHESTER TERRIER

スタンダードNo:71

原産地:イギリス

用途 :テリア

沿革 :18世紀にイングランドのマンチェスター地方で作出されたものと思われる。はっきりしないがオールド・ブロークンヘアード・ブラック・アンド・タン・テリアにウィペットの祖先犬を配して改良されたらしい。
1835年闘犬が廃止されるとそれに代わって「ネズミ早殺し競争」がイギリスの庶民の楽しみとなった。50匹のドブネズミを一頭のテリアがどれだけ速く殺せるかを競うもので、パブ(居酒屋)の客寄せに利用された。この競争に使用された犬がマンチェスター・テリアで、飼育者も多かったが、この競争が廃止されたことや断耳が禁じられたことから一時人気が離散した。
イギリスの作家アガサ・クリスティーが愛育し『運命の裏木戸』でこの犬種の敏捷さを書き遺している。

ミニチュア・ブル・テリア

- MINIATURE BULL TERRIER

スタンダードNo:359

原産地:イギリス

用途 :テリア

沿革 :ミニチュア・ブル・テリアにはブル・テリアと同じだけの歴史がある。体重4.5kg未 満の「小さな」犬のクラスはすでに1863年には設けられていた。この小さなブル・テ リアは20世紀初頭に絶滅の危機に瀕したが、愛好家たちの努力により1939年に英国ケネル・クラブが、現在のサイズ規程を含む、ブル・テリアとは別個のスタッド・ブッ クの作成を認可したことから、今日のミニチュア・ブル・テリアが誕生した。

ヨークシャー・テリア

- YORKSHIRE TERRIER

スタンダードNo:86

原産地:イギリス

用途 :コンパニオン・ドッグ

沿革 :ヨークシャー・テリアはエアデール・テリアと同じ場所で生まれた犬種で、1850年代頃に初めて見られた。ヨークシャー・テリアの背景には古いブラック・アンド・タン・テリアが存在し、マルチーズやスカイ・テリアのような他の犬種も交えて作出された。現在の犬種名は1870年に承認された。狩猟本能を含め、この犬種のテリアのような性質から、家の中では玩具、庭ではげっ歯動物のようである。

レークランド・テリア

- LAKELAND TERRIER

スタンダードNo:70

原産地:イギリス

用途 :テリア

沿革 :古いテリアの一種類である。大領主や地主たちによって狐狩りがおこなわれるようになって、まだフォックスハウンドが作出されていない頃、すでにこの犬は狐狩りに使用されていたといわれ数百年の歴史があるものと思われる。レークランドと呼ばれる地方の山岳地帯で狐猟のため岩石の間に入り込めるよう肩幅のせまい肋の張らない、そして顎がつよく、遠い猟場まで出向いても疲れを知らない長脚犬が求められ、オールド・イングリッシュ・ブラック・アンド・タン・テリアにベドリントン・テリアが配されて作出されたと伝えられている。本犬種名になるまえはホワイト・フォックス・テリアに対しカラード・ワーキング・テリア(有色の作業用テリア)またはパタデール・テリアと呼ばれていた。1830年頃から1920年頃にかけて改良固定されたが、農産物品評会の犬の部門には 1896年頃から出品されていた。ドッグショーには1912年デビューしたがすぐ第一次世界大戦となって活動が中止され、1921年クラブが結成され以後発展した。

ワイアー・フォックス・テリア

- WIRE FOX TERRIER

スタンダードNo:169

原産地:イギリス

用途 :テリア

沿革 :非常に古い犬種と思われるが、その起源や沿革は不明である。貴族のスポーツとして愛好された狐狩りに使用され、フォックス・テリアと呼ばれるようになったのは18世紀頃らしい。古い時代の毛色は狐色だったといわれ、フォックス・ハウンドが狐を追い、フォックス・テリアを岩場や巣穴で使用したが、毛色が狐と似ていることからしばしばフォックス・テリアを射殺することがあった。また、ハウンドの役目もこなせるようなテリアが求められ、ハウンドが配されて三色毛のスムースが誕生し、さらに他のテリアと混血されワイアーとなった。1862年バーミンガムのショーに出陳されたが、この時の犬はスムース・タイプのフォックス・テリアだったといわれている。1876年クラブが設立された後改良がいちじるしく進み、20世紀に入り世界的な人気犬種になった。

グループ(FCI10グループ)別

下記のグループボタンから、ご覧になりたいグループを選択すると個々の犬について表示されます

TOPへ戻る