6G:嗅覚ハウンド

セントハウンド&関連犬種
SCENTHOUNDS AND RELATED BREEDS
大きな吠声と優れた嗅覚で獲物を追う獣猟犬

アメリカン・フォックスハウンド

- AMERICAN FOXHOUND

スタンダードNo:303

原産地:アメリカ合衆国

用途 :獣猟犬

沿革 :フォックスハウンドにはアメリカンとイングリッシュがある。イングリッシュは13世紀ごろからスタッグ(赤鹿)狩りに用いられ、後に狐猟が流行したことから、スピードを重視した改良繁殖がおこなわれた。19世紀ごろまではこの犬種を使用した狩猟がさかんにおこなわれたが、狐の減少とともにイギリスでは飼育者もへり、特定な人により飼育されているだけとなった。英国ケネルクラブは1986年犬籍から除外した。イギリスからもっとも早くアメリカに渡ったのは 1650年で、以後他のハウンドの血も加えられアメリカン・タイプとなった。初代大統領ジョージ・ワシントン(1732~1799年)がイギリスから輸入した犬とフレンチ・ハウンドを所持しており、これらの犬がアメリカン・フォックスハウンドの基礎犬のひとつとなったのは有名。

グランド・バセット・グリフォン・バンデーン

- GRAND BASSET GRIFFON VENDEEN

スタンダードNo:33

原産地:フランス

用途 :適度な広さの猟場で銃を用いるハンターにとっては申し分ない協力者である。全てのセントハウンド・バセットの中で最も素早く、粘り強く、勇敢で、少々頑固であるため、若い時に躾に慣れさせる必要がある。

沿革 :全てのバセット種が大型のハウンドから作出されたように、グランド・バセット・グリフォン・バンデーンはグランド・グリフォンが基礎となる。
最初の選択繁殖は19世紀中頃に「ストレート・レッグ」の個体を探していた d’Elva 伯爵によって行われた。
しかしながら、このタイプが固定したのは ポール・ドゥザミー氏によるところが大きい。氏は野ウサギを捕えるためには、特定のサイズの犬が必要であると考えサイズを約43cmに固定した。
今日は主に銃を用いる狩猟で使用されており、ウサギからイノシシに至るまで毛で覆われた獲物を狩る能力を持つ。
野ウサギを狩猟する第5回ヨーロピアン・カップで、グランド・バセットのチームが優勝している。

ダルメシアン

- DALMATIAN

スタンダードNo:153

原産地:クロアチア・ダルメシア地方

用途 :同伴犬、家庭犬等、様々な目的のために訓練できる。

沿革 :ダルメシアンの起源は依然不明で、憶測あるのみである。古代エジプトの墓で発見された彫刻や16世紀から18世紀に描かれた絵からダルメシアンは数千年前から存在していたと推測される。14世紀以降、特に1719年以降の教会の歴代志から、この犬種の起源が地中海地域、特にダルメシア海岸の近くであったということが読み取れる。
この犬種を題材にした初期の絵としては、16世紀にイタリア人の画家によって描かれたものと、1710年頃に描かれたと思われるZaostrog(ダルメシア地方)のフレスコ画法のものがある。1792年に出版されたトーマス・ベヴィックの書物に、ベヴィックが『ダルメシアン、はたまた馬車犬』と呼んでいるダルメシアンの記述と絵が描かれている。
最初のダルメシアンのスタンダードは1882年にヴェロ・ショーというイギリス人によって書かれ、このスタンダードは1890年に正式なスタンダードとして認められた。

バセット・ハウンド

- BASSET HOUND

スタンダードNo:163

原産地:イギリス

用途 :獣猟犬

沿革 :バセット・ハウンドの祖先犬は16世紀のフランスの赤鹿狩り用の猟犬に遡り、その中の肢の短い犬同士を繁殖し、フランス語で丈が低いことや脚が短いことを意味する「バセー(英語ではバセット)」タイプのハウンドが作出された。やがて、数種類のバセー・タイプが作出されたが、今日のバセット・ハウンドはバセー・ダルトワやバセー・ノルマンの血を引いている。1866年にイギリスに渡り、1884年にはバセット・ハウンド・クラブが設立された。アレクサンドラ王妃の後援によりこの犬の人気は更に高まったが、1892年にブラッド・ハウンドの血を加えたため、この犬の外観はかなり変化し、重く、たるんだ皮膚を持つ今日のバセット・ハウンドとなった。嗅覚が優れていることや独特のひびきのある吠え声をもつ犬としても知られている。

ハリア

- HARRIER

スタンダードNo:295

原産地:イギリス

用途 :獣猟

沿革 :ビーグルより大きくフォックス・ハウンドより小さい獣猟犬で、体型や毛色などからこれらの犬種と近縁であることは疑いようがない。古い時代のサザン・ハウンドや小型グレーハウンド(ウィペット)の血が混入されたものといわれている。
17世紀頃イギリスで作出された犬種であるとされているが詳しいことははっきりしていない。
本来は野ウサギ狩りに使用する目的で作出されたが、訓練次第では狐狩りにも使用でき、狐を3時間25分追跡しつづけたという記録もある。
イギリスにはこの犬種とフォックスハウンドだけの単犬種団体があるため、イギリス・ケネル・クラブのショー(クラフト展など)では見ることができない。したがってイギリス・ケネル・クラブでは1986年この犬を『犬種標準書』から除外した。

ビーグル

- BEAGLE

スタンダードNo:161

原産地:イギリス

用途 :獣猟犬

沿革 :ハウンドの中で最も小さい犬である。この系統の犬種はきわめて古い歴史をもち、紀元前からギリシアでウサギ狩りに用いられていたハウンドの後裔と思われる。エリザベス一世女王(1533年~1603年)時代にイギリスにはこのタイプの大小二種のハウンドがおり、小さい方のハウンドをフランス語の小さいという意味からきたビーグルと呼び、野ウサギ狩りに使用していた。鋭敏な嗅覚はブラッドハウンドの血を加えたからだといわれている。

プチ・バセット・グリフォン・バンデーン

- PETIT BASSET GRIFFON VENDEEN

スタンダードNo:67

原産地:フランス

用途 :山野では悪魔、家の中では天使、それがこのバセットである。バセットは熱心な猟犬で、若い年齢の時にしつけに慣れさせなければならない。中程度の広さの猟場で銃猟をするハンターの完璧な協力者である。もっぱら野ウサギを狩猟するが、その他の獲物もバセットから逃れることはできない。

沿革 :プチ・バセット・グリフォン・バンデーンのスタンダードは、体高(34~38㎝)が異なる点を除き、長い間ラージ・バセット・グリフォン・バンデーンのスタンダードと同じものであった。サイズが詰まっている一方で、体重は、ラージ・バセットと同じくらい重かったため、猟に使用した結果はあまり芳しいものではなかった。そのため、アベル・ドゥザミー氏が独立したスタンダードを作成したのである。この犬種の定義のために、ポール・ドービーニェによる記述を掲載する。「もはや単に体高を小さくしただけのプチ・バンデーンではなく、調和を保つようにすべての比率と容量が縮小されたプチ・バセットであり、狩猟に対する情熱を持っていることはもちろんだが、すべての精神的特質を生まれつき備えている。」

ブラック・アンド・タン・クーンハウンド

- BLACK AND TAN COONHOUND

スタンダードNo:300

原産地:アメリカ合衆国

用途 :獣猟犬

沿革 :11世紀頃、英国で知られていた、タルボット・ハウンドを祖先に、アメリカで改良作出した犬種で、1945年公認された。犬種名の由来は、ブラック・アンド・タンは毛色で、クーンとはアライグマのことである。ピューマ(アメリカ・ライオン)猟にも用いられ現在に至っている。

ブラッドハウンド

- BLOODHOUND

スタンダードNo:84

原産地:ベルギー

用途 :鹿(猪)狩り用セント・ハウンド。足跡追及犬。家庭犬。猟犬として使用された。現在でもなお使用されている。嗅覚が特に優れているので、血を追求する訓練により、しばしば、傷ついた獲物の足跡を発見するのに使用され、また警察において行方不明になった人間の捜索に使用される。その機能的な構造により、ブラッドハウンド(フランス語名:シアン・ド・サン・テュベール)は大いなる耐久性があり、更に並外れた嗅覚を備えており、また長い距離や起伏の多い土地でもさして苦にすることなく足跡を追及することが出来る。

沿革 :大型で嗅覚のすぐれたセントハウンドの歴史はたいへんに古い。何世紀も前から、その際立った嗅覚と狩猟の能力が知られ賞揚されてきた。その犬は、アルデンヌ地方で、サン・テュベール(セント・ヒューバート)修道院の修道僧達に飼育されていた。7世紀に、後に司教となり、狩人の守護聖となる修道僧ユベール(ヒューバート)が飼育していたブラックあるいはブラック・アンド・タンの猟犬の流れを汲むと思われる。それら大型のセントハウンドはアルデンヌ地方に広がった。というのは、この地方に広がっていた森に、大型の獲物が居たからである。人々はこのサン・テュベール犬を、その頑丈さを、その耐久性を、とりわけ猪猟における猟性能をほめそやした。初期のサン・テュベールの犬はブラックで、その後ブラック・アンド・タンが出た。11世紀にこれらの犬は、ウイリアム征服王によってイングランドにもたらされた。同じ頃、同じタイプだが全身真っ白の「タルボット」と呼ばれる犬が同様にイングランドに入った。イングランドにおいて、これら外来犬の子孫ができた。彼の地で繁殖されたサン・テュベールの犬たちは「ブラッドハウンド」(血の犬)という名で受け入れられた。名の由来は「純血のハウンド」を意味する「ブラデッド・ハウンド」から来ている。そして純血種となった。その後この犬種は、アメリカ合衆国において同様に発展した。特に合衆国南部において広まったが、そこでは、逃亡した奴隷を捜すのに使用された。

ローデシアン・リッジバック

- RHODESIAN RIDGEBACK

スタンダードNo:146

原産地:アフリカ南部 南アフリカケネルユニオン及びジンバブエKCよりスタンダードが提出された。

用途 :ローデシアン・リッジバックは依然として多くの国で狩猟に使用されているが、特に警備犬及び家庭犬として高い評価がある。

沿革 :ローデシアン・リッジバックはアフリカ南部を原産とする唯一の公認犬種である。この祖先は南アフリカの喜望峰にたどることができ、ここで初期の開拓者の犬と半家畜化されたリッジの入ったホッテントット族の狩猟犬との交配が行われた。2、3頭の集団で主に狩猟を行うローデシアン・リッジバックすなわちライオンドッグの元来の機能は、すばらしい俊敏さで獲物、特にライオンを追跡することであり、猟師が到着するまで、獲物をうなり声で追いつめる。1922年、ローデシアのブーラワーヨでF.R.バーンズによって起草された最初のスタンダードは、ダルメシアンのスタンダードに基づいたものであった。1926年に南アフリカケネルユニオンによって承認された。

グループ(FCI10グループ)別

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