7G:ポインター・セター

ポインティング・ドッグ
POINTING DOGS
獲物を探し出し、その位置を静かに示す猟犬

アイリッシュ・セター

- IRISH SETTER

スタンダードNo:120

原産地:アイルランド

用途 :ガンドッグ及び家庭犬

沿革 :アイリッシュ・セターは、狩猟用のワーキング・ドッグとしてアイルランドで作出された。この犬種はアイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターと、定かでないレッドの単色の犬に由来する。これが18世紀明確に見られたタイプである。アイリッシュ・レッド・セター・クラブはこの犬種の振興のために 1882年に設立された。このクラブはブリード・スタンダードを1886年に作成し、その後、スタンダードを確立させるために、フィールド・トライアルや展覧会を開催した。1998年、このクラブはこの犬種のワーキング・スタイルに関する書物を刊行した。スタンダード、ワーキング・スタイル共に、この犬種の身体的特徴と作業能力を描写している。
アイリッシュ・セターは長年の月日を経て、頑健且つ健康で、利口な、優秀な作業能力と多大なスタミナを有する犬に進化していった。

アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セター

- IRISH RED AND WHITE SETTER

スタンダードNo:330

原産地:アイルランド

用途 :鳥猟犬、家庭犬

沿革 :アイルランドのセターはおそらく17世紀後半に、その犬種として確立された。アイルランドのセターに2つの犬種があることはアイルランド国外ではまだ十分に認知されていないが、レッド・アンド・ホワイト・セターの方がこの2犬種では歴史が古く、慎重な選択繁殖が単色のレッドを生み出したことは確かである。アイリッシュ・セターがショーに出陳され始めたちょうど19世紀半ばを過ぎた頃、この犬種の適切な色について多くの混乱が生じた。19世紀後半にはレッド・セターが事実上レッド・アンド・ホワイト・セターより頭数で優り、レッド・アンド・ホワイト・セターが極めて少なくなったことから絶滅したものと考えられた。しかし、1920年代にこの犬種を復活させる努力がなされた。1944年までには本犬種は独自のクラブをもつまでに復興し、現在ではアイルランドのショーやフィールド・トライアルにおいてかなり見られるようになった。現在では、1981年にアイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セター・フィールド・アンド・ショー・ソサエティーが設立され、その努力と指導により、本犬種はアイルランドのみでなく、国際レベルで発展している。アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターはフィールド・トライアルにおいて、他のポインティング犬種と競い合い、成功を収めており、現在かなりの数のフィールド・トライアル・チャンピオン及びショー・チャンピオンがいる。

イタリアン・スピノーネ

- ITALIAN SPINONE

スタンダードNo:165

原産地:イタリア

用途 :ポインティング・ドッグ

沿革 :1683年にSélincourt は自身の文献「Le parfait chasseur(パーフェクト・ハンター)」の中で、イタリアン・スピノーネの祖先犬とされるイタリア及びピエモンテ州から来た「グリフォン」について述べている。この犬は中世にしばしば著名な画家によって描かれており、最も良く知られている絵画は15世紀にAndrea Mantegna によってマントゥアのデュカーレ宮殿に描かれたフレスコ画である。

イタリアン・ポインティング・ドッグ

- ITALIAN POINTING DOG

スタンダードNo:202

原産地:イタリア

用途 :ポインティング・ドッグ

沿革 :この犬種は、鳥猟に使われていたイタリアの古代犬を原型として、長年にわたり発展してきた。過去の網を使った猟から今日の銃を用いた猟にまで適応してきた。イタリアン・ポインティング・ドッグがポインティング・ドッグとしての形態という点においても、狩猟に対する適性においても、何世紀にもわたって不変であるのは疑いがないことを、14世紀の数々のフレスコ画が証明している。

イングリッシュ・セター

- ENGLISH SETTER

スタンダードNo:2

原産地:イギリス

用途 :鳥猟犬

沿革 :セターの中で特に人気のある犬種で、世界最初のドッグショー(1859年イギリスのニューカッスルで二犬種により開催された)にイングリッシュ・ポインターとともに出陳された。
この犬種の歴史は15世紀頃までさかのぼることができるといわれ、1555年にノーザンバーランドのロバート公爵が山うずら猟のためセターを訓練した記録 が残っている。祖先犬はセッティング・スパニエルであることはほぼまちがいない。
銃猟の普及とともに発展した犬種で、19世紀初頭の頃より愛好者が激増し、1877年に死亡したエドワード・ラベラックによって犬種的完成度が高められた。
明治の初め頃わが国にもたらされ広く愛育されている。
獲物を前にしてしゃがみこむ(セッティング)ところから犬種名となった。

イングリッシュ・ポインター

- ENGLISH POINTER

スタンダードNo:1

原産地:イギリス

用途 :鳥猟犬

沿革 :ポインターといわれる犬種はヨーロッパ各国に数多くおり鳥猟に使用されているが、その中でも有名なのがこの犬種である。鳥猟犬種の中では、その姿態といい性能といい抜群のものがあり、世界各国で飼育されているが、その歴史はあまり古くはない。スペインまたはポルトガルの地犬が祖先犬といわれ、スペインの王位継承戦争(1703年~1714年)の際英国にもたらされた。この犬を土台にフレンチ・ポインターやイタリアン・ポインターにフォックスハウンドなどの血を混入して固定された。動物画家のジョージ・スタッブス(1774年~1805年)がこの犬種の絵や古いタイプのポインターの絵を数多く描いている。
その後ブラッドハウンドやグレーハウンドなどを利用して嗅覚力や走力の向上がはかられ、英国産の傑作犬種のひとつといわれるようになった。獲物を発見する と姿態を低くし片足をあげてポイントするところから、犬種名となった。

ゴードン・セター

- GORDON SETTER

スタンダードNo:6

原産地:イギリス

用途 :鳥猟犬

沿革 :セターの中では最も新しく公認された犬種だが、その祖先は1815年から1620年までさかのぼることができると言われている。スコットランドのゴードン城の領主で狩猟家としても有名だったアレキサンダー大公(ゴードン公爵)が、1820年ごろ羊飼いの牝犬で嗅覚の発達した犬の性能を保存しようとしてスコッチ・コリーの血を加えたとも、ブラッドハウンドやトライカラーのコリーと混血させ作出したとも言われている。スコットランド唯一のガンドッグであり、セターの中では一番大きく耐久力に富んでいる。
公爵の名がそのまま犬種名になった。

ジャーマン・ショートヘアード・ポインター

- GERMAN SHORTHAIRED POINTER

スタンダードNo:119

原産地:ドイツ

用途 :鳥猟犬

沿革 :ジャーマン・ショートヘアード・ポインターの歴史は網を用いる鳥猟に始まり、特に地中海沿岸の国々で用いられた。また、鷹との狩猟にも用いられた。この犬種はフランス、スペイン、フランダースを経由し、ドイツの宮廷でも見られるようになった。これらの犬の最も顕著な特徴はポインティングである。1750年に最初の二連式の銃が作られてから、ポインティング・ドッグは更に必要とされるようになった。犬の目の前で〈飛んでいる鳥〉を撃ち、これが、単なるポインティング・ドッグから様々な用途のガンドッグに移行した始まりである。
この犬種の体躯構成や発展の元となる土台を築くため、1897年にスタッドブックが発行され、これに続いて、スタンダードと狩猟のための簡単なトライアル規程が編集された。今日のジャーマン・ショートヘアード・ポインターは、精密なスタンダードやトライアル規程によっている。スタンダードには様々な用途の狩猟犬としてのジャーマン・ショートヘアード・ポインターの本質・体躯構成等が規程されており、年老いてもなお狩猟活動ができるのである。

ジャーマン・ワイアーヘアード・ポインター

- GERMAN WIREHAIRED POINTER

スタンダードNo:98

原産地:ドイツ

用途 :本犬種は様々な作業に適する鳥猟犬として作出されたので、射撃の前であれ、後であれ、野原や森の中、水中を問わず、猟場における様々な作業ができる適性を備えていなければならない。

沿革 :ワイアーヘアード・ポインターの起源は19世紀末迄に遡れるが、20世紀になって、有能なドイツ原産のワイアーヘアーのガンドッグを作出するという目的を達成するために、計画的に繁殖された。
《能力がタイプを決定する》という原理に基づいて、ラフ・コート・タイプの最良のストックにジャーマン・ショートヘアード・ポインターの血統を加え、短期間のうちに、風雨に耐え得る被毛に覆われた、実際のあらゆる猟場で様々な作業ができるガンドッグが作出された。数十年の間に、大型のガンドッグの中でもドイツ国内のみならず、世界中の多くの国々で最も好まれる犬となった。

ショートヘアード・ハンガリアン・ビズラ

- SHORTHAIRED HUNGARIAN VIZSLA

スタンダードNo:57

原産地:ハンガリー

用途 :野原や森林また水中で作業する能力をもつ多才なガン・ドッグであり、次に挙げる典型的な特徴をもつ。優れた嗅覚で、確固不動のポイントをし、素晴らしい回収能力を持ち、且つ泳いでいる時でさえも臭いを嗅ぎ続ける意思を持ち、またこれを楽しむ。悪天候や起伏のある地形でも十分に対応することができる。有能な狩猟犬を目指して作出しているため、銃及び獲物に対して恐怖心をもったり、ポインティングやレトリービングをしたがらなかったり、水が苦手であることは望ましくない。気楽な性格のため、家庭犬として飼育し易い。

沿革 :ハンガリアン・ビズラの祖先は遊牧民のハンガリー部族と共にカルパチアの盆地に入ってきたという、記述文書及び絵画がすでに14世紀の文書で発見されている。18世紀から狩猟犬としての重要性が着実に高まっていった。
19世紀終わりには、ポインティング・ドッグのための競技会がハンガリーで開催され、ここに(他の犬種にまざって)ハンガリアン・ビズラが参加し、すばらしい成績を収めた。
当時、他のガン・ドッグ犬種はこの犬種の改良に極めて重要な役割を果たした。
特定近代繁殖は1920年に開始され、その結果ショートヘアード・ハンガリアン・ビズラは1936年にFCIに公認された。

スモール・ミュンスターレンダー

- SMALL MUNSTERLANDER

スタンダードNo:102

原産地:ドイツ

用途 :多目的のワーキング・ガンドッグ

沿革 :スモール・ミュンスターレンダーの発展は19世紀中頃だとされている。
ドイツの狩猟法改正以降、ハンターや狩猟愛好家たちの増加及び獲物を体系的に繁殖させる方法の誕生に伴い、新しいジャーマン・ポインティング・ドッグの繁殖が始まった。文献によれば、1870年頃、ミュンスターランド地方では、長毛の「Wachtelhunds」(ジャーマン・スパニエル)が良く知られていた。この犬種は、ポインティングに優れており、たいへん優れた嗅覚を持ち、回収能力も兼ね備えていた。
1906年には、著名な詩人Hermann Lönsが、雑誌「Unser Wachtelhund」で、その当時存在していたレッドのハノーバリアン・ヒース・ハウンドについて述べ、人々にこの犬の情報提供を呼びかけた。しかし、彼とその兄弟たちはハノーバリアン・ヒース・ハウンドではなく、農場にいた、ポインティングを行うWachtelhundsを発見し、それを「Heidewachtel」と名付けた。Löns兄弟以外では、愛犬家としてよく知られているBevervörde-Lohburg男爵らが、ミュンスターランド地方とは別の地域で、ブリーディング・ストックを作出しようと尽力していた。
また、ブルグシュタインフルトの教師であったハイトマン氏は、ラインブリーディングに初めて成功した。その後数年の間に、いわゆる「ドルステン・タイプ」として知られるいくつかの血統がウェストファリアで作り出された。
1912年3月17日、「Verband für Kleine Münsterländer Vorstehhunde」(スモール・ミュンスターレンダー・ポインティング・ドッグ・クラブ)がついに設立された。当時このクラブは設立目的を、「本団体は、ミュンスターランドで何十年もの間繁殖されてきた長毛の小型のポインティング・ドッグの純粋性の追求と正しい繁殖の普及を目的とする」と掲げていた。当時は、この犬種の特徴が固定されていなかったために、繁殖活動だけでなく、この団体の活動も阻害されていた。
1921年以降、ブリーダー達はついにFriedrich Jungklaus氏により作成されたブリード・スタンダードを適用するようになった。しかし、この犬種の真の起源は明確にはなっていない。

ブリタニー・スパニエル

- BRITTANY SPANIEL

スタンダードNo:95

原産地:フランス

用途 :鳥猟犬

沿革 :ブリタニー・スパニエルの原産地はフランスであり、詳しく述べるとブルターニュ地方中部である。現在、フランス原産の鳥猟犬種の中で最も頭数の多い犬種である。おそらくスパニエル・タイプの犬種のうちでは最古のものの1つであり、20世紀初頭に様々な犬種との異種交配や淘汰により改良された。この犬種の最初のスタンダードの草案は1907年に作成され、1908年に採用された。これが、ナチュラリー・ショート・テイルド・ブリタニー・スパニエル・クラブの最初のスタンダードとなった。

ラージ・ミュンスターレンダー

- LARGE MUNSTERLANDER

スタンダードNo:118

原産地:ドイツ

用途 :多才で、多目的に役立つ鳥猟犬である。射撃後の作業で力を発揮する。

沿革 :ラージ・ミュンスターレンダーの歴史的発展は中世のホワイト&パーティ・カラーの鳥獣猟犬及び鷹狩の猟犬にはじまり、狩猟犬及びスパニエルを経て19世紀のポインターにいたる。ラージ・ミュンスターレンダーはスモール・ミュンスターレンダー及びドイツ・ラングハール(ジャーマン・ロングヘアー)と同様にロングヘアード・ジャーマン・ポインティング・ドッグ系に属し、19世紀末より計画的繁殖が開始された。
「ジャーマン・ロングヘアー・クラブ」が1909年の繁殖からブラックを排除することに決定すると、「ブラック・アンド・ホワイト・ミュンスターレンダー・ポインターの純血繁殖のクラブ」(1919年創立)はブラック・アンド・ホワイト・ロングヘアーの繁殖を引き継いだ。
特に、西ミュンスターランド及び南部ザクセン地方から本来のロングヘアーの特徴を保持している犬をファンデーションリストに加えたのち、1922年にラージ・ミュンスターレンダーの計画的繁殖を開始した。ファンデーションリストには83頭が含まれていた。最初のリストに掲載された犬たちの子孫がラージ・ミュンスターレンダーのスタッドブックに登録された。

ワイマラナー

- WEIMARANER

スタンダードNo:99

原産地:ドイツ

用途 :多目的の狩猟犬及びポインティング・ドッグ

沿革 :ワイマラナーの起源については様々な説がある。僅かに分かっていることは、ワイマラナーはリアム・ハウンド(昔のブラッドハウンド)の血統をかなり引いていて、1830年代には、既にワイマール宮廷で飼われていたことである。
19世紀の中頃は、繁殖はドイツ中部、特にワイマールやチューリンゲン周辺のプロのハンターや猟場管理人によって行われていた。リアム・ハウンドとの交配時代が過ぎ、ポインター、セターと異種交配されるようになり、しばらくはこの異種交配が続けられた。1890年頃より、この犬種は計画に従って作出されるようになり、スタッド・ブックへの登録が相応しいとみなされるようになった。20世紀に入る頃に、短毛のワイマラナーとは別に、長毛のバラエティーが作出された。スタッド・ブックに登録されてからは、ワイマラナーは純粋犬として繁殖され、他の犬種、特にポインターと交雑されることはほとんどなくなった。従って、ワイマラナーはおおよそ100年に渡って純粋犬として保たれているドイツのポインティング犬種としては最古のものとなる。

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