8G:7グループ以外の鳥猟犬

レトリーバー、フラッシング・ドッグ、ウォーター・ドッグ
RETRIEVERS – FLUSHING DOGS – WATER DOGS
7グループ以外の鳥猟犬

アイリッシュ・ウォーター・スパニエル

- IRISH WATER SPANIEL

スタンダードNo:124

原産地:アイルランド

用途 :ほとんどの狩猟に容易に対応でき、深い茂みの獲物を素早く見つけ出したり、回収したりする。本犬種の体躯構成と気質故に、伝統的に水鳥猟に用いられてきた。

沿革 :正確な起源は不明だが、一般的にウォーター・スパニエルはペルシャ原産の犬から進化し、スペインを経由してアイルランドに持ち込まれたと考えられている。「水鳥を追うウォーター・ドッグ」と記述されている最初の文献は1600年に遡るので、アイルランドでは鳥撃ち銃が用いられるようになる前から、耐水性の被毛を有する犬が用いられていたことが分る。祖先に関する形跡としては、ネズミのような尻尾というたいへん特異な特徴以外は何もなく、この特徴は類似した犬には見られず、現在の本犬種がアイルランド原産の祖先を持つとされる裏付けとなり、この尾が「ウィップ・テール」や「ラット・テール」という名称の起源である。これらの犬の子孫は19世紀後半に様々なショーに出陳され、多大な成功を収め、1890年にアイリッシュ・ウォーター・スパニエル・クラブが設立された。

イングリッシュ・コッカー・スパニエル

- ENGLISH COCKER SPANIEL

スタンダードNo:5

原産地:イギリス

用途 :フラッシング・ドッグ

沿革 :コッカー・スパニエルは1873年に英国KCが設立されて間もなくフィールド・スパニエルやスプリンガー・スパニエルとは別犬種として公認された。この犬種の起源は「コッキング・スパニエル(シギ猟用のスパニエル)」であり、犬種名は「ヤマシギを飛び立たせる」ということに由来する。多くのガンドッグ犬種と同様に、今日では作業に用いられているものとショーに用いられているものには差異がある。ショーに用いられているコッカー・スパニエルは、作業に用いられているコッカー・スパニエルよりもがっしりして、重い。

イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル

- ENGLISH SPRINGER SPANIEL

スタンダードNo:125

原産地:イギリス

用途 :フラッシング・ドッグ、レトリーバー

沿革 :スポーティング・ドッグの中ではきわめて古い歴史を有する犬種である。銃猟が発達する以前に素晴らしいスピードで駆け出し、獲物に跳びかかって追い出してカスミ網に追い込んだり、鷹狩りの手助けをしていた犬の後裔である。
猟銃の普及ににより鳥を飛び立たせて撃ち落とすようになっても、この犬のスピードや獲物を運搬する能力が高く評価されてきた。ランド・スパニエルを改良し たもので、別名をノーフォーク(英国東部の州)・スパニエルとも呼ばれた。
しかし単独犬種として認められたのは1901年頃である。
犬種名はスプリングのきいた跳び出しのスピードのよさから命名された。

ウェルシュ・スプリンガー・スパニエル

- WELSH SPRINGER SPANIEL

スタンダードNo:126

原産地:イギリス

用途 :フラッシング・ドッグ

沿革 :ウェールズ原産と言われるこの犬の沿革は不明な部分が多い。しかし、ウェールズには約1000年前にスパニエルが存在していたことは事実であり、ウェルシュ・スプリンガー・スパニルもこのスパニエルの系統を継いでいるものと思われる。
この犬種はウェールズのみならずイングランドでも数百年にわたって飼育されてきたようで、当時の絵画の中にこの犬種と思われる犬がしばしば描かれている。耳の形や体形からクランバー・スパニエルと在来のスパニエルによる混血説もある。19世紀末にドッグショーへ登場した頃はウェルシュ・コッカーと呼ばれていたが、1902年現在の犬種名に改良された。
酷暑極寒に耐える犬として知られ、熱帯地方の国でも飼育されている水陸両用の鳥猟犬である。

カーリーコーテッド・レトリーバー

- CURLY-COATED RETRIEVER

スタンダードNo:110

原産地:イギリス

用途 :レトリーバー・ドッグ

沿革 :セント・ジョンズ・ニューファウンドランドとイギリスの古いウォーター・ドッグとの混血に、プードルの血を入れてカールの巻き具合を強化した犬で、レトリーバー種の中で最も早く公認された犬種の一つである。英国の多目的な狩猟レトリーバーとして、天賦の猟能に恵まれ、状況判断のよい猟犬で、家庭犬としても高い評価を得た。

クランバー・スパニエル

- CLUMBER SPANIEL

スタンダードNo:109

原産地:イギリス

用途 :フラッシング・ドッグ

沿革 :クランバー・スパニエルは200年以上前にフランスで発生したと言われている。その後、ニューキャッスルの公爵によりイギリスに渡り、ノッティンガムシャー州にあるクランバー・パークのファミリー・ホームにて繁殖された。
体重の重い犬で、その作業ペースは他のスパニエル犬種よりものんびりしている。クランバー・スパニエルの体重は1950年頃からより重くても認められていたため、現在は体重の上限は36kgとされているが、中にはこの数字よりも体重が重そうなものも見られる。しかしながら、この犬種の愛好家は大きなサイズが後肢の弱さに繋がらないことを確認しなければならない。

コーイケルホンディエ

- KOOIKERHONDJE

スタンダードNo:314

原産地:オランダ

用途 :鴨をおびき寄せる猟犬。伴侶犬。

沿革 :1942年第2次世界大戦のさなか、Van Hardenbroek van Ammerstol男爵夫人がコーイケルホンディエの再興を始めた。男爵夫人は自身が探している犬のタイプの写真を行商人に渡し、そのような犬を探すよう依頼した。行商人はフリースラント州の農場で、現在はトミーとしてよく知られている牝犬を見つけた。その牝犬が後にコーイケルホンディエを創りあげた牝犬となった。1966年にオランダKCはこの犬種を暫定公認し、1971年に正式に公認した。
コーイケルホンディエは未だに鴨をおびき寄せるために用いられている。その任務は派手な尾を振りながら鴨を囮へおびき寄せることであるが、自分で鴨を狩ることはない。この犬種は鴨の好奇心を煽り、鴨がトラップに捕獲されるよう囮までおびき寄せる。それらの鴨は食されるために殺されるか、鳥類学の研究のために使用される。

ゴールデン・レトリーバー

- GOLDEN RETRIEVER

スタンダードNo:111

原産地:イギリス

用途 :ガン・ドッグ

沿革 :ゴールデン・レトリーバーの歴史はほとんど不明である。しかしイギリスで発達した犬種であることは間違いない事実である。1858年にイングランドのブライトンで興行していたロシア・サーカス団で曲芸や学者犬をしていた8頭の犬が素晴らしいことから、トゥイードマウス卿が買い入れたこのロシア犬がゴールデン・レトリーバーの先祖犬となったという説は信じがたい。セターやウェービーコーテッド・レトリーバーなどとの混血による犬が祖先犬だったと考えるのが自然であり、トゥイードマウス卿が1865年に購入したウェービー・コーテッド・レトリーバーから生まれた黄色の子犬が始祖となったといわれている。 1913年以降イエロー・レトリーバーまたはゴールデン・レトリーバーと呼ばれていたが、1920年ゴールデン・レトリーバーの名称に統一された。

サセックス・スパニエル

- SUSSEX SPANIEL

スタンダードNo:127

原産地:イギリス

用途 :フラッシング・ドッグ

沿革 :もともとイギリスのサセックス州で多数飼育されていたためにこの犬種名が付いた。犬種の由来は少なくとも18世紀まで遡ることができ、19世紀の雑誌はサセックス・スパニエルのことをよい実猟犬であると評している。
サセックスの地主階級に育成されたこの犬種に関して、ストーンヘンジ(J.H.ウォルシュの筆名)は「サセックスは鐘の如く冴えた朗々たる啼きをもって狩 るという点で、他のスパニエルとは一線を画している」と記している。
19世紀末までにサセックスの人気は衰えたが、モーゼス・ウーランドとキャンベル・ニューウィントンという二人の繁殖家がこの犬種の救済、改良に大きく貢献した。1920年代にはジョイ・スコールフィールドがサセックスの繁殖に着手し、現在のサセックスの基盤を成した。
現在ではショーにおいても次第に人気が上がっており、またフィールドでも昔同様に活躍している。

スパニッシュ・ウォーター・ドッグ

- SPANISH WATER DOG

スタンダードNo:336

原産地:スペイン

用途 :牧羊犬や猟犬、漁師の手伝いをする犬として使用されている。

沿革 :イベリア半島に大昔からいる犬種である。この犬種はアンダルシア地方に多く生息しており、ここでは牧羊犬として使用され、何世紀もの間《トルコの犬》として知られていた。この犬種は外観およびその被毛の独特な形態によって、水浸しになったり干上がったりする沼沢地の変化の激しい気候に順応することができ、同様に牧羊犬や水鳥の猟師および漁師の補助役としての役割にも適応することができる。

チェサピーク・ベイ・レトリーバー

- CHESAPEAKE BAY RETRIEVER

スタンダードNo:263

原産地:アメリカ合衆国

用途 :地上、水中ともに有能な回収犬(レトリーバー)である。

沿革 :イギリス以外で作出された唯一のレトリーバーである。沿革はまったく不明であり、言いつたえによると、1807年ニューファンドランド島から来た船がアメリカ東海岸のチェサピーク・ベイ(湾)で難破した時ジョージ・ロー氏の手厚い救護を受けたお礼に船長がニューファンドランドから連れてきていた犬を送り、後にこの犬と地犬のハウンドの交雑で生まれたのがチェサピーク・ベイ・レトリーバーだったとされている。一説には1801年英国帆船がアメリカ東海岸沖で難破し救助されたお礼として贈られた2頭のニューファンドランドの子犬と、運搬用に飼育されていた雑種犬が後に交配し本犬種の基礎をきずいたといわれている。犬種固定にあたり使用されたのはカーリーコーテッドやフラットコーテッドのレトリーバーであり、1885年頃現在の体形となった。1878年第1号がAKCに登録された。

ノヴァ・スコシア・ダック・トーリング・レトリーバー

- NOVA SCOTIA DUCK TOLLING RETRIEVER

スタンダードNo:312

原産地:カナダ

用途 :トーリング・ドッグ、レトリーバー・ドッグ

沿革 :ノヴァ・スコシア・ダック・トーリング・レトリーバー(トラー)は19世紀初頭、水鳥をおびき寄せ回収するためにノヴァ・スコシア半島で改良された。トラーは鴨の群れを見ると、物陰に隠れた猟師が犬に向って投げる小枝やボールを追いかけながら、河岸沿いを駆け回ったり、飛び跳ねたり、じゃれたりし、時折視界から消えたかと思うと急に姿を現したりする。こうしたトラーの滑稽な行動は川の中で泳いでいる鴨の興味をかきたて、射程距離内に引き寄せる。そして、トラーは死んだ鳥や傷ついた鳥の回収をしに行く。

フィールド・スパニエル

- FIELD SPANIEL

スタンダードNo:123

原産地:イギリス

用途 :フラッシング・ドッグ及びレトリーバー・ドッグ。鳥猟犬や郊外居住者の家庭犬として理想的である。都市には適さない。

沿革 :最も古いランド・スパニエル種で、スパニエルの典型である。
ひところ、全ての狩猟スパニエルの一族をフィールド・スパニエルと呼んでいた。野猟の作業をよくこなすスパニエルで、1892年以降は体重11㎏を境に2つに分けられ、大きい方をフィールド・スパニエル、小さい方をスモール・フィールドと呼び、後者はコッカー・スパニエルの前身である。サセックス・スパニエルの血を繰り返し使用し、19世紀後半に、より長く丈の低い体形が出現してショー・リングで一時人気を博した。20世紀に入る頃には太り過ぎ、長すぎ、猟野で役に立つとは到底思えないほど脚が短かった。1930年代と第2次世界大戦中には劇的に衰退し、1960年を迎えるまでには殆ど絶滅寸前となり、現在の全てのフィールド・スパニエルがたった4頭の犬の直系の子孫ばかりになるほどであった。しかし熱烈な支持者の努力により、1995年の英国クラフト展では100頭の出陳を見るまでに復活した。

フラットコーテッド・レトリーバー

- FLAT-COATED RETRIEVER

スタンダードNo:121

原産地:イギリス

用途 :ガン・ドッグ

沿革 :犬種としての歴史はそれほど古くはないが、展覧会に出陳されたのは早く、1860年のバーミンガム・ショーに参加。当時はウェービー・コーテッドと呼ばれ、波状毛で体形的にもラブラドールとの差異も少なかった。時代が進むにつれ、波状毛が徐々に平滑毛に変わり、フラット・コーテッドと呼ばれるようになった。
祖先犬は小型のニューファンドランドまたはチェサピーク・ベイ・レトリーバーの小型のものと思われているが、ラブラドールとカーリーコーテッドによったという説もある。
当初は番犬として考えられていたが、その嗅覚がすぐれていたことから猟犬とすべく、重すぎる体重やバランスの改良がはかられ、犬種的な完成度が高められ た。1864年の展覧会から他のレトリーバーと区別されるようになった。
水中における鴨の運搬だけでなく、陸上においても獲物の回収犬として重宝がられている。

ポーチュギ-ズ・ウォーター・ドッグ

- PORTUGUESE WATER DOG

スタンダードNo:37

原産地:ポルトガル

用途 :泳ぎと潜りにおいてたぐいまれな能力とスタミナを持つこの犬は、漁だけでなく、漁船や財産を守るガード・ドッグとして大変役に立ち、漁師の伴侶として切り離せない存在である。魚を捕らえることに非常に長けていて、注意力があり、魚が逃げた場合(かぎ針または網から)、自発的に海へジャンプし、必要とあれば水に潜り魚を採りに行く。破れた網やほどけた太綱を泳いで取り戻す。距離がかなりあったとしても、漁船や海岸との間の連絡役として使用される。

沿革 :かつてこの犬種はポルトガルの海岸のいたるところにいた。漁法が改良されたために、現在では本犬種の故郷であると考えられているアルガルベ地方に限られて使役している。ポルトガル沿岸にはるか昔からこの犬たちがいたことが判明しているので、純粋のポルトガル犬として犬種名が付けられた。

ラブラドール・レトリーバー

- LABRADOR RETRIEVER

スタンダードNo:122

原産地:イギリス

用途 :レトリーバー

沿革 :ラブラドール・レトリーバーはニューファンドランド沿岸で発祥した犬種であると考えられている。その地域では漁師が魚を回収するために似たような外貌の犬を使用していた。素晴らしいウォーター・ドッグであり、その耐候性のある被毛及びカワウソの尾に例えられたユニークな尾がこの犬種の特徴である。
ラブラドールは比較的にそれ程古い犬種ではなく、その単犬種クラブは1916年に設立され、また、イエロー・ラブラドール・クラブは1925年に設立された。ラブラドールが有名になったのはフィールド・トライアルによるもので、1800年代後半にPeter Hawker大佐及びMalmesbury伯爵により初めてその地域に紹介された。その犬はMalmesbury Trampと呼ばれた犬で、現代のラブラドールの基礎となった犬の一頭であるとLorna Howe伯爵夫人は説明している。

ロマーニャ・ウォーター・ドッグ

- ROMAGNA WATER DOG

スタンダードNo:298

原産地:イタリア

用途 :トリュフ・ドッグ

沿革 :コマッキョの低地及びラベンナの湿地帯に古くからいるレトリービング・ウォーター・ドッグである。何世紀もの間に広大な湿地帯は干拓され、耕作地へと変化していった。後にこの犬種はウォーター・ドッグからロマーニャ地方の開けた土地や丘陵に於ける素晴らしいトリュフ探索犬となった。

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