正しいブリーディングと守るべき心得
正しい繁殖(ブリーディング)とは
犬の繁殖は、「犬種の犬質向上」及び「その犬種が有する体質改良」を目的として、更なる世代のために献身的に犬種の保存、維持をすることです。
犬の健康や福祉を保護しつつ、理想の繁殖をするためには様々な知識を有する必要があります。そのためには、その犬種の有識者及び指導者の意見を聞いて研究してください。
また、繁殖は決して営利目的で行ってよいものではありません。以下の事柄を心得て責任ある繁殖に努めてください。
1.犬種標準(スタンダード)を理解して把握しておくこと。
その犬種の固有の特徴、外貌(頭部、ネック、ボディー、四肢、毛色、サイズ等)、技能、欠点等は、JKC刊行の全犬種標準書で勉強してください。
2.血統内容及び犬種のタイプ、性格を理解すること。
種牡、台牝の血統内容をよく調べて、同一の欠点を持つ個体は交配を控えてください。特に性格は非常に遺伝力が強く出現しますので、臆病及び獰猛な親犬は注意が必要です。
3.幼齢犬を繁殖に用いないこと。
JKCでは交配できる月齢を、牡牝ともに交配時に9カ月1日以上としています。
父または母、あるいは父母ともに交配時に生後9カ月以下であった場合は、生まれた子犬の血統証明書は発行しておりません。
4.交配の良否、犬種の有する遺伝性疾患の知識を深め、無計画的な繁殖はしないこと。
近親交配に注意してください。近親繁殖を重ねると、遺伝性疾患、欠歯、内臓疾患、陰睾丸等が発生する可能性が高くなります。
遺伝子疾患については「遺伝子疾患について考えよう」(リンク)参照してください。
5.牝犬の生殖生理を十分に知っておくこと。
発情周期は犬種や個体によって差があります。個体の特徴を把握して無理のない計画的な繁殖をしてください。
6.出産後、子犬の管理を十分に行い、譲渡前に駆虫、骨学的遺伝子疾患の有無をチェックすること。
7.奇形や欠点を有した子犬は、他者に提供しないこと。